手賀沼。手賀沼は千葉県北部のある利根川水系の湖沼(こしょう)です。

昭和20年代まで手賀沼の水は底が透き通って見えるほど澄んでいて、夏には子ども達が泳いで遊び、漁師は漁に出るとき沼の水をすくって飲んだといいます。

しかし、昭和30年代後半以降、高度経済成長を背景として手賀沼流域で宅地開発が急速に進むと、大量の生活排水が沼に流れ込み水質を悪化させました。

また、生活雑排水に含まれるチッソやリンによって沼の水が富栄養化したことで、植物プランクトンが異常増殖し、さらに汚濁が進みました。夏にはアオコが異常発生し、沼の水は緑色に染まりました。

こうして手賀沼は、環境庁(現在は省)の調査が始まった昭和49年度から平成12年度まで、何と27年間日本一汚濁した湖沼という不名誉な記録を続けました。

手賀沼は他にも外来種に侵入、汚染された湖沼でも有名でして、最近ではカミツキガメの繁殖していることでも有名です。

現在は、田植えを終えたばかりの季節ですが、コブハクチョウによる食害で、イネが食べられてしまうんです。

コブハクチョウはカモ科の鳥でユーラシア大陸の中緯度地域に広く分布し、成鳥では全長150センチ程度になります。手賀沼で初めて観測されたのは1970年代。外来種のため、飼育されたものが逃げ出したか、人為的に放たれたものだということです。

1990年代に増え始めて、現在は200羽程度の生存が確認されていますが、このコブハクチョウ、法律により駆除ができません。

対策としては、偽の卵を使った繁殖の抑制です。巣を見つけて卵を撤去し、偽の卵を置いて巣から生まれるヒナがでないようにするします。この方法であれば、ひなや親鳥は無理でも卵は駆除できるそうです。地道で大変な作業ですね。

どんな理由でも、いったん野に放たれた生き物を取り除くことは、とても難しいことです。







※最後に
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