※2023.05.18更新(「昭和三年温根別仔連れ人喰い熊事件」追加)
※2023.05.19更新(「ヒグマに襲われた釣り人の身元判明 駆除されたヒグマが襲撃」追加)
熊に襲われた釣り人は、この辺りを熟知していたベテランだったそうです。
素人だろうが玄人だろうが、大自然は容赦なく襲い掛かってきます。おそらく熊対策もされている方なのかもしれませんが、一瞬の隙を突かれてしまったのかもしれません。
まだ54歳という年齢ですし、釣りに行くぐらいの体力があるので、かなり抵抗はしたんでしょうけども、熊にパワーには勝てずといったところではないでしょうか。
日本に生息しているクマは、ヒグマとツキノワグマの2種類であり、ヒグマでも日本の本州に生息しているのが二ホンツキノワグマで、北海道に生息しているのがエゾヒグマとなります。ヒグマの体長は最大240cm、体重は最大400㎏となります。
こんな大きさヒグマに襲われたらどうなるのか?ヒグマの能力を比較しながら見ていきます。
噛む力の単位はPa(パスカル=N/m2)で表記しています。
具体的な数字で表すと、人間の噛む力は約110万Pa(パスカル)です。
クマの噛む力は動物の中でもトップ10に入るほどの力を持っています。
一番強いホッキョクグマ(ヒグマと同等)の噛む力は約827万Paです。ちなみにホオジロザメは931万Pa、1位のイリエワニは5309万Paです。
Paと言われてもピンとこないので、わかりやすい例えで言いますと、人間が食パンを食べるときにパンを引きちぎると思いますが、あんな感じで肉を引きちぎられます。
1位のイリエワニはとてつもない強い力ですが、口を開ける力はびっくりするほど弱く、たったの30㎏ほどです。日本人の平均的なおじいちゃんが片手でおさえこめるほど弱い力しか出せません。水の中で襲われたら無理ですが、水辺で襲われて、万が一うまく口を押えられたら・・・助かるかもしれません。
ところがヒグマはそうはいきません。手で抑え込むなんて無理があります。
なんせヒグマには人を軽くあしらえるほどの「強力な腕力(=前足)」があります。
ホッキョクグマですと、その打撃力は200kgものアザラシを海面から氷上へはじき上げるほど強力であるともいわれています。
グリズリーですと、ライオンの首を一撃で叩き折る打撃力をもっています。人間の首は簡単にへし折れますし、首が飛ぶかもしれません。
そして鉄筋をへし折り、鉄板を噛み砕きます。100Kgもあるの鉄の檻を軽々ひっくり返す力があります。
ヒグマの強さは噛む力や腕力(=前足)だけではありません。爪もあります。大人のグリズリーの爪の一撃は、車の外装鉄板を易々と引き裂きます。人間が首や胴を切断されたという例も有ります。
最後に身体の大きさの割に走るのがとても早く、最高速度は時速60キロにもなります。そして勾配のある山でも、平気で時速50kmで走るそうです。
現在世界最速とされるウサイン・ボルト氏のトップスピード時でさえ、およそ時速45キロですので逃げきれません。
他にも、前足と後ろ足を器用に使い、木や塀を登ることができますし、狭い場所でも急反転することができます。
そして、クマは火を恐れません、そして一度興味を持ったもの(特に食料)に執着心が強い、逃げるものを追う習性があります。
最後に以前に朱鞠内湖でおきた「昭和三年温根別仔連れ人喰い熊事件」をご紹介します。
朱鞠内湖(しゅまりないこ)は、北海道雨竜郡幌加内町、雨竜川上流に位置する人造湖(※)なのです。
※人造湖(じんぞうこ)とは、人為的に造られた湖のこと。人工湖(じんこうこ)ともいい、またそのような水を貯める施設を貯水池(ちょすいち)、貯水湖(ちょすいこ)などという。人が建設したダムによって河川が堰き止められた結果できあがったダム湖(ダムこ)はこれらに含まれる。
事件の端緒だけですが、それでも十分にクマに襲われたら
つまり、クマに出会って襲われたら逃げれないということです。
クマに襲われて絶命するまでの時間に、激痛だけでなくこんな死に方をするなんて、と恐怖と後悔と絶望を感じならが、なんとか命だけでも助かる方法は無いかと必死に考えて、そのうちに息絶えるのだろうかと想像して恐ろしくて堪らないですね。
※2023.05.19更新(「ヒグマに襲われた釣り人の身元判明 駆除されたヒグマが襲撃」追加)
湖畔に人の頭部 付近で熊目撃、不明男性か 北海道(2023年5月16日)
北海道幌加内町の朱鞠内湖(しゅまりないこ)で、釣りに来ていた道内の男性(54)が14日から行方不明となり、15日午後2時ごろ、近くで人の頭部が発見された。
付近では釣り用の長靴をくわえたクマが目撃されており、地元ハンターらが同3時半ごろ駆除した。
道警は男性がクマに襲われた可能性があるとみて、身元の確認を進めている。
道警によると、頭部は駆除に当たっていた地元ハンターらが見つけた。
ヒグマに襲われた釣り人の身元判明 駆除されたヒグマが襲撃(2023年5月19日)
北海道東部の幌加内(ほろかない)町の朱鞠内(しゅまりない)湖でヒグマに襲われ、死亡したとみられる男性について、道警士別署は19日、イトウ釣りに来て行方不明になっていた興部町のアルバイト従業員、西川俊宏さん(54)と判明したと発表した。
署などによると、西川さんは14日朝、NPO法人「シュマリナイ湖ワールドセンター」の舟で湖北東部の入り江に渡りイトウ釣りをしていた。午前10時ごろにNPOスタッフが迎えに来たが、西川さんの姿がなく、近くで釣り用の胴付き長靴をくわえたヒグマを目撃した。
15日に西川さんの頭部が見つかり、17日には覆うようにかぶせられた草木の下から胴体が見つかった。現場近くでは15日、体長1・6メートルのオスのヒグマが射殺されていた。
遺体の一部などをDNA型鑑定した結果、西川さんと特定した。駆除されたヒグマの胃の内容物も西川さんのDNA型と一致し、西川さんを襲ったヒグマであることがわかったという。
北海道幌加内町の朱鞠内湖(しゅまりないこ)で、釣りに来ていた道内の男性(54)が14日から行方不明となり、15日午後2時ごろ、近くで人の頭部が発見された。
付近では釣り用の長靴をくわえたクマが目撃されており、地元ハンターらが同3時半ごろ駆除した。
道警は男性がクマに襲われた可能性があるとみて、身元の確認を進めている。
道警によると、頭部は駆除に当たっていた地元ハンターらが見つけた。
ヒグマに襲われた釣り人の身元判明 駆除されたヒグマが襲撃(2023年5月19日)
北海道東部の幌加内(ほろかない)町の朱鞠内(しゅまりない)湖でヒグマに襲われ、死亡したとみられる男性について、道警士別署は19日、イトウ釣りに来て行方不明になっていた興部町のアルバイト従業員、西川俊宏さん(54)と判明したと発表した。
署などによると、西川さんは14日朝、NPO法人「シュマリナイ湖ワールドセンター」の舟で湖北東部の入り江に渡りイトウ釣りをしていた。午前10時ごろにNPOスタッフが迎えに来たが、西川さんの姿がなく、近くで釣り用の胴付き長靴をくわえたヒグマを目撃した。
15日に西川さんの頭部が見つかり、17日には覆うようにかぶせられた草木の下から胴体が見つかった。現場近くでは15日、体長1・6メートルのオスのヒグマが射殺されていた。
遺体の一部などをDNA型鑑定した結果、西川さんと特定した。駆除されたヒグマの胃の内容物も西川さんのDNA型と一致し、西川さんを襲ったヒグマであることがわかったという。
熊に襲われた釣り人は、この辺りを熟知していたベテランだったそうです。
素人だろうが玄人だろうが、大自然は容赦なく襲い掛かってきます。おそらく熊対策もされている方なのかもしれませんが、一瞬の隙を突かれてしまったのかもしれません。
まだ54歳という年齢ですし、釣りに行くぐらいの体力があるので、かなり抵抗はしたんでしょうけども、熊にパワーには勝てずといったところではないでしょうか。
日本に生息しているクマは、ヒグマとツキノワグマの2種類であり、ヒグマでも日本の本州に生息しているのが二ホンツキノワグマで、北海道に生息しているのがエゾヒグマとなります。ヒグマの体長は最大240cm、体重は最大400㎏となります。
こんな大きさヒグマに襲われたらどうなるのか?ヒグマの能力を比較しながら見ていきます。
噛む力の単位はPa(パスカル=N/m2)で表記しています。
具体的な数字で表すと、人間の噛む力は約110万Pa(パスカル)です。
クマの噛む力は動物の中でもトップ10に入るほどの力を持っています。
一番強いホッキョクグマ(ヒグマと同等)の噛む力は約827万Paです。ちなみにホオジロザメは931万Pa、1位のイリエワニは5309万Paです。
Paと言われてもピンとこないので、わかりやすい例えで言いますと、人間が食パンを食べるときにパンを引きちぎると思いますが、あんな感じで肉を引きちぎられます。
1位のイリエワニはとてつもない強い力ですが、口を開ける力はびっくりするほど弱く、たったの30㎏ほどです。日本人の平均的なおじいちゃんが片手でおさえこめるほど弱い力しか出せません。水の中で襲われたら無理ですが、水辺で襲われて、万が一うまく口を押えられたら・・・助かるかもしれません。
ところがヒグマはそうはいきません。手で抑え込むなんて無理があります。
なんせヒグマには人を軽くあしらえるほどの「強力な腕力(=前足)」があります。
ホッキョクグマですと、その打撃力は200kgものアザラシを海面から氷上へはじき上げるほど強力であるともいわれています。
グリズリーですと、ライオンの首を一撃で叩き折る打撃力をもっています。人間の首は簡単にへし折れますし、首が飛ぶかもしれません。
そして鉄筋をへし折り、鉄板を噛み砕きます。100Kgもあるの鉄の檻を軽々ひっくり返す力があります。
ヒグマの強さは噛む力や腕力(=前足)だけではありません。爪もあります。大人のグリズリーの爪の一撃は、車の外装鉄板を易々と引き裂きます。人間が首や胴を切断されたという例も有ります。
最後に身体の大きさの割に走るのがとても早く、最高速度は時速60キロにもなります。そして勾配のある山でも、平気で時速50kmで走るそうです。
現在世界最速とされるウサイン・ボルト氏のトップスピード時でさえ、およそ時速45キロですので逃げきれません。
他にも、前足と後ろ足を器用に使い、木や塀を登ることができますし、狭い場所でも急反転することができます。
そして、クマは火を恐れません、そして一度興味を持ったもの(特に食料)に執着心が強い、逃げるものを追う習性があります。
最後に以前に朱鞠内湖でおきた「昭和三年温根別仔連れ人喰い熊事件」をご紹介します。
朱鞠内湖(しゅまりないこ)は、北海道雨竜郡幌加内町、雨竜川上流に位置する人造湖(※)なのです。
※人造湖(じんぞうこ)とは、人為的に造られた湖のこと。人工湖(じんこうこ)ともいい、またそのような水を貯める施設を貯水池(ちょすいち)、貯水湖(ちょすいこ)などという。人が建設したダムによって河川が堰き止められた結果できあがったダム湖(ダムこ)はこれらに含まれる。
朱鞠内湖(しゅまりないこ)が位置する幌加内町から士別市、剣淵町に至る一帯は、かつて人喰い熊事件が多発していた地帯で道内で最も危険な地域のひとつでありました。
特に朱鞠内湖(しゅまりないこ)南部の温根別村では、大正から昭和初期にかけて人喰い熊事件が続発したのです。
昭和三年のこの事件では、三年間で二名が喰い殺され、八名が重軽傷を負い、加害熊は常に子熊を引き連れていたという特徴があります。
事件の端緒だけですが、それでも十分にクマに襲われたら
❖昭和三年温根別仔連れ人喰い熊事件(一部抜粋)
雪の降る二十五日朝八時頃、上川郡剣淵村西八線から温根別村九線へ通じる間道を、上川、菅原の両人が通りかかると、すぐ目前に一婦人が倒れ悲鳴を上げて夢中に救いを求めていた。見ると着衣は流血に染まり、その前に一頭の巨熊が座っていた。(中略)最初熊に傷つけられてから約二十間位、熊に追われつつ逃げた形跡があり、その間は血痕雪に染み、路辺の笹に血潮は飛び散り、頭髪に肉片の付着した着衣布片が付近に散らばり、数個所にややしばらく倒れていた模様であった。後頭部の頭髪及び皮肉はほとんどなく、右手指右背部に大裂傷あり、また臀部上方にも余程の裂傷があり、身体各所は爪穴で出血甚だしく、瀕死状態であった。婦人は温根別村八線、元屯田兵妻、増永イヨ(五一)で、剣淵市街地へ子供の百ヶ日忌のため僧侶を頼みに単身歩行中であった。イヨは七線風防林付近まで担いで行った時に絶命した(『北海タイムス』昭和三年十一月二十九日朝刊)
雪の降る二十五日朝八時頃、上川郡剣淵村西八線から温根別村九線へ通じる間道を、上川、菅原の両人が通りかかると、すぐ目前に一婦人が倒れ悲鳴を上げて夢中に救いを求めていた。見ると着衣は流血に染まり、その前に一頭の巨熊が座っていた。(中略)最初熊に傷つけられてから約二十間位、熊に追われつつ逃げた形跡があり、その間は血痕雪に染み、路辺の笹に血潮は飛び散り、頭髪に肉片の付着した着衣布片が付近に散らばり、数個所にややしばらく倒れていた模様であった。後頭部の頭髪及び皮肉はほとんどなく、右手指右背部に大裂傷あり、また臀部上方にも余程の裂傷があり、身体各所は爪穴で出血甚だしく、瀕死状態であった。婦人は温根別村八線、元屯田兵妻、増永イヨ(五一)で、剣淵市街地へ子供の百ヶ日忌のため僧侶を頼みに単身歩行中であった。イヨは七線風防林付近まで担いで行った時に絶命した(『北海タイムス』昭和三年十一月二十九日朝刊)
つまり、クマに出会って襲われたら逃げれないということです。
クマに襲われて絶命するまでの時間に、激痛だけでなくこんな死に方をするなんて、と恐怖と後悔と絶望を感じならが、なんとか命だけでも助かる方法は無いかと必死に考えて、そのうちに息絶えるのだろうかと想像して恐ろしくて堪らないですね。
※最後に
ご覧になられている記事は、内容の見直し、文章の誤り(誤字や不適切な表現)による修正で内容が更新されることがあります。
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