大浴場の湯を年2回しか交換せず 福岡の老舗旅館「報道は事実」と認めて謝罪(2023年2月24日)
福岡県の老舗旅館が、週1回以上は実施する必要がある、大浴場の湯を年2回しか交換していなかった問題が物議を醸しています。旅館は大浴場の設備システムメンテナンスにともない、入浴可能時間が変更することを公式サイトで発表。その後、報道を事実と認めて謝罪しました。
問題が起きた旅館は、1865年に創業された福岡県筑紫野市の「二日市温泉 大丸別荘」。福岡県の条例で公衆浴場ではろ過機能を備えた場合でも、1週間に1回以上は完全に換水し、清掃するように定められています(※)。
※福岡市公衆浴場法施行条例(普通公衆浴場の施設基準と衛生措置基準等について)

NHKニュースなどの報道によると、大丸別荘では湯の一部を循環ろ過させて連日使用していたうえに、消毒用の塩素の注入も怠っていました。保健所の検査では一時、基準値の最大3700倍のレジオネラ属菌が検出されています(※)。旅館が虚偽報告をしていたため、福岡県は罰則の適用も検討しているということです。
※厚生労働省の公式サイトによると、レジオネラ属菌は感染すると「レジオネラ症」を引き起こすとのこと。レジオネラ症の主な病型には、重症の肺炎を引き起こす「レジオネラ肺炎(在郷軍人病)」と、一過性で自然に改善する「ポンティアック熱」が挙げられます
大丸別荘の公式サイトでは、「重要なお知らせ」として、大浴場の設備システムメンテナンスにともない、入浴可能時間が変更になったことが告知されています。入浴可能時間について、以前は「午前11時~深夜1時30分、翌朝は5時~10時まで」としていましたが、2月の第2週以降は「毎週月曜日は夜23時まで、翌朝は6時から(火曜日~日曜日は深夜1時30分まで、翌朝は5時から)」になるとのこと。今回の指導により、毎週月曜の深夜に湯の入れ替えが実施されるようになったとみられます。
公式サイトで謝罪【2月24日15時50分追記】
その後、大丸別荘は2月24日、公式サイトで「本日の報道をご覧になられたお客様には、大変ご心配をお掛けしており、誠に申し訳ございません。報道の内容については事実でございます」と、報道を事実と認めて謝罪しました。
「保健所の指導の下、改善を行い、12月末より換水清掃および塩素注入の体制を整え、基準を満たした上で大浴場の営業を再開しております」と説明。「ご予約を頂いておりますお客様には大変ご迷惑とご心配をお掛けしております。取り急ぎ、お詫び申し上げます」と述べています。

※大丸別荘のお知らせは、おそらくアクセス集中における一時的な負荷でエラー表示になっています。
「認識が甘かった」墜ちた老舗旅館、年に2回しか湯を換えず保健所に“虚偽報告”か(2023年2月24日)
「お湯の安全」が問われる悪質な実態だ。福岡県内の老舗高級旅館が週に1回以上行うべき大浴場の湯のとりかえを年に2回しか行っていなかった。保健所にレジオネラ菌の検出を指摘されるも「虚偽報告」でその場をしのぎ営業再開。その後、抜き打ち検査で再び安全基準の3700倍ものレジオネラ菌が検出されたこともわかった。違法状態は2019年から続いていたとみられている。旅館は「認識が甘かった」と話す。
❖年に2回の休館日に「お湯換え」
RKB野島裕輝「150年以上の歴史を持つ温泉旅館でずさんな温泉管理と嘘の報告が行われていたということです」
創業1865年の「二日市温泉・大丸別荘」は昭和天皇が宿泊したこともある老舗旅館だ。公衆浴場法に基づく福岡県の条例では、週に1回以上すべての湯を取り換える必要がある。しかし、大丸別荘の大浴場では年に2回の休館日にしか換えていなかった。
❖保健所に“虚偽報告”の疑い
県によると発端は2022年8月のことだった。「レジオネラ症」を発症した人が大丸別荘を訪れていたことから保健所が調査を開始。この際、お湯から基準値の2倍のレジオネラ菌が検出された。この時、大丸別荘は保健所に管理簿を示し「湯の取り換えや塩素注入は適切だった」と説明した。大浴場は一時、利用停止になったものの、営業は再開された。その後、保健所が11月に抜き打ち検査したところ、再び基準値を超える最大3700倍のレジオネラ菌が検出されたのだった―。
❖福岡県は改善指導を公表せず、旅館は営業再開
大丸別荘は、この時点でようやく▽湯の取り換えは年にわずか2回、▽消毒用塩素の注入も怠っていたこと、▽管理簿の内容や数値も虚偽だったことを認めた。福岡県は去年12月26日、文書で改善指導を行いました。しかし、この事実は公表されなかった。1か月の営業停止の後、旅館は営業を再開している。
❖「入れかわっている認識だった」
社長は「毎分70リットルのお湯をいれているがそれで入れかわっているという認識があった。認識が甘かった」と話す。一方、県は改善指導を行った文書について「県民に混乱を生じさせる」「特定のものに不利益を及ぼす」などとして「開示できない」と説明する。一体何を指導しどう改善されたのか。違法状態は少なくとも2019年から続いていたとみられ、県は罰則規定を適用できるか確認している。
福岡県の老舗旅館が、週1回以上は実施する必要がある、大浴場の湯を年2回しか交換していなかった問題が物議を醸しています。旅館は大浴場の設備システムメンテナンスにともない、入浴可能時間が変更することを公式サイトで発表。その後、報道を事実と認めて謝罪しました。
問題が起きた旅館は、1865年に創業された福岡県筑紫野市の「二日市温泉 大丸別荘」。福岡県の条例で公衆浴場ではろ過機能を備えた場合でも、1週間に1回以上は完全に換水し、清掃するように定められています(※)。
※福岡市公衆浴場法施行条例(普通公衆浴場の施設基準と衛生措置基準等について)

NHKニュースなどの報道によると、大丸別荘では湯の一部を循環ろ過させて連日使用していたうえに、消毒用の塩素の注入も怠っていました。保健所の検査では一時、基準値の最大3700倍のレジオネラ属菌が検出されています(※)。旅館が虚偽報告をしていたため、福岡県は罰則の適用も検討しているということです。
※厚生労働省の公式サイトによると、レジオネラ属菌は感染すると「レジオネラ症」を引き起こすとのこと。レジオネラ症の主な病型には、重症の肺炎を引き起こす「レジオネラ肺炎(在郷軍人病)」と、一過性で自然に改善する「ポンティアック熱」が挙げられます
大丸別荘の公式サイトでは、「重要なお知らせ」として、大浴場の設備システムメンテナンスにともない、入浴可能時間が変更になったことが告知されています。入浴可能時間について、以前は「午前11時~深夜1時30分、翌朝は5時~10時まで」としていましたが、2月の第2週以降は「毎週月曜日は夜23時まで、翌朝は6時から(火曜日~日曜日は深夜1時30分まで、翌朝は5時から)」になるとのこと。今回の指導により、毎週月曜の深夜に湯の入れ替えが実施されるようになったとみられます。
公式サイトで謝罪【2月24日15時50分追記】
その後、大丸別荘は2月24日、公式サイトで「本日の報道をご覧になられたお客様には、大変ご心配をお掛けしており、誠に申し訳ございません。報道の内容については事実でございます」と、報道を事実と認めて謝罪しました。
「保健所の指導の下、改善を行い、12月末より換水清掃および塩素注入の体制を整え、基準を満たした上で大浴場の営業を再開しております」と説明。「ご予約を頂いておりますお客様には大変ご迷惑とご心配をお掛けしております。取り急ぎ、お詫び申し上げます」と述べています。

※大丸別荘のお知らせは、おそらくアクセス集中における一時的な負荷でエラー表示になっています。
「認識が甘かった」墜ちた老舗旅館、年に2回しか湯を換えず保健所に“虚偽報告”か(2023年2月24日)
「お湯の安全」が問われる悪質な実態だ。福岡県内の老舗高級旅館が週に1回以上行うべき大浴場の湯のとりかえを年に2回しか行っていなかった。保健所にレジオネラ菌の検出を指摘されるも「虚偽報告」でその場をしのぎ営業再開。その後、抜き打ち検査で再び安全基準の3700倍ものレジオネラ菌が検出されたこともわかった。違法状態は2019年から続いていたとみられている。旅館は「認識が甘かった」と話す。
❖年に2回の休館日に「お湯換え」
RKB野島裕輝「150年以上の歴史を持つ温泉旅館でずさんな温泉管理と嘘の報告が行われていたということです」
創業1865年の「二日市温泉・大丸別荘」は昭和天皇が宿泊したこともある老舗旅館だ。公衆浴場法に基づく福岡県の条例では、週に1回以上すべての湯を取り換える必要がある。しかし、大丸別荘の大浴場では年に2回の休館日にしか換えていなかった。
❖保健所に“虚偽報告”の疑い
県によると発端は2022年8月のことだった。「レジオネラ症」を発症した人が大丸別荘を訪れていたことから保健所が調査を開始。この際、お湯から基準値の2倍のレジオネラ菌が検出された。この時、大丸別荘は保健所に管理簿を示し「湯の取り換えや塩素注入は適切だった」と説明した。大浴場は一時、利用停止になったものの、営業は再開された。その後、保健所が11月に抜き打ち検査したところ、再び基準値を超える最大3700倍のレジオネラ菌が検出されたのだった―。
❖福岡県は改善指導を公表せず、旅館は営業再開
大丸別荘は、この時点でようやく▽湯の取り換えは年にわずか2回、▽消毒用塩素の注入も怠っていたこと、▽管理簿の内容や数値も虚偽だったことを認めた。福岡県は去年12月26日、文書で改善指導を行いました。しかし、この事実は公表されなかった。1か月の営業停止の後、旅館は営業を再開している。
❖「入れかわっている認識だった」
社長は「毎分70リットルのお湯をいれているがそれで入れかわっているという認識があった。認識が甘かった」と話す。一方、県は改善指導を行った文書について「県民に混乱を生じさせる」「特定のものに不利益を及ぼす」などとして「開示できない」と説明する。一体何を指導しどう改善されたのか。違法状態は少なくとも2019年から続いていたとみられ、県は罰則規定を適用できるか確認している。
このニュースを見て「うわぁー!」と思ったのと同時に「やっぱりなぁ。」と思いました。
他の旅館なり温泉なり行っても、大浴場に行くとお湯変えてないんじゃないかなぁと思うんです。だって24時間入浴できるところも多くて、入浴できなくても、例えば夜中の24時~30(翌6)時とかですもの、どこでお湯の交換なんてするんでしょうね?、と思っていました。
循環ろ過機で、いわゆる人の垢とか、髪の毛やら、う〇こ、おしっ〇の類は取り除いていたんでしょうが、年2回は、どうなんですかねぇ。
基準値の3,700倍のレジオネラ属菌は検出されたそうでして、レジオネラ菌は自然界の淡水(池、河川等)や湿った土壌等に生息する細菌です。
そして、レジオネラ属菌が原因で起こる感染症であるレジオネラ症は、これまで入浴施設で感染した例がたびたび報告されており、中には死亡例もあります。
症状のタイプは2種類あり、それぞれ、「レジオネラ肺炎」と「ポンティアック熱」と呼んでいます。ポンティアック熱は発熱や頭痛、筋肉痛などの症状で、一般的に軽症ですが、問題になるのは「レジオネラ肺炎」です。高熱や呼吸困難、吐き気、意識障害などが出て、急激に重症になり死亡することもあります。
幼児や高齢者、他の病気にかかっているなど、抵抗力の弱い人は感染しやすいので注意が必要です。
冷却塔水、循環式浴槽水など水温20℃以上の人工環境水では、細菌を餌とするアメーバが多数生息しています。レジオネラ属菌は特定の種類のアメーバに寄生し、その細胞内で増殖します。その数は、アメーバ1個体あたり1000個にもなります。
増えに増えたレジオネラ属菌は、やがて宿主であるアメーバを食い殺して、まわりの水中に一斉に放出されます。この水--レジオネラ属菌が含まれた水が、細かい水滴(エアロゾルと言います)となって空気中を舞った時、これを吸い込んで感染します。
衛生管理が不十分な浴槽の壁面や配管などにつくヌメリは、専門的には生物膜(=バイオフィルム)と呼ばれます。循環式浴槽水や冷却塔、給湯設備などでも、このヌメリには栄養分が豊富で、塩素などの消毒薬や紫外線から保護されるため、微生物の増殖に適した環境なのです。
つまり、このバイオフィルムを発生させないこと。レジオネラ属菌の栄養源を絶って、増殖させないこと。それから、レジオネラ属菌が繁殖している可能性がある水の細かい水滴を人に吸い込ませないこと。この3つが、レジオネラ症を発生させない大原則になります。
バイオフィルムを発生させないよう、また、発生してもすぐに除去できるよう、こまめな掃除。浴槽はもちろん、配管、循環ろ過装置内にも気を配ること。浴槽水の換水、消毒の徹底が効果的なのですが、「大丸別荘」では、これを怠っていたわけなのです。
福岡県は「県民に混乱を生じさせる」「特定のものに不利益を及ぼす」などとして「開示できない」と説明しておりますが、重要事項を開示しないで旅行者を危険に晒す福岡県の考え方に疑問を感じますね。旅行者は「福岡県の宿泊施設を利用して大丈夫か?」となり、福岡県全体の温泉旅館に波及することは間違いないです。
そして老舗旅館である「大丸別荘」は、予約サイトを見ると土日は満室の人気の旅館となっております。予約の直前のキャンセルもキャンセル料をとられると思いますので、予約したお客様は気持ちが悪くても今は大丈夫なので行くのでしょうか。難しい判断となりますね。
改善前に宿泊したお客様は「ぞっ」とした気分だと思います。リピーターを失う事態だと思いますが、常連さんは通ってくれすので、営業は続けることができるかがカギとなります。
しかしながら、虚偽報告をしてる時点で意図的に行っており、経費削減をしようとして最悪の手を打ってしまった社長さん、「入れ変わっている認識だった」は苦しい弁明ですね。利用客の信頼回復はかなり厳しいものになるかもしれませんね。
※最後に
ご覧になられている記事は、内容の見直し、文章の誤り(誤字や不適切な表現)による修正で内容が更新されることがあります。
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