トイレから出た男性「試薬の硫酸が…」 新幹線内は異臭、叫び声、煙(2023年10月9日)

 JR仙台駅で9日正午ごろ、「(東北新幹線の車内で)薬品のようなものをさわって子どもがけがをした」と119番通報があり、子どもを含む数人が負傷した。3連休の最終日、一時騒然となった車内の様子を乗客たちが明かした。

妻子とともに8号車に乗車していた男性会社員(37)はこの日正午前、仙台駅で降車しようとデッキに向かうと、「駅員さんを呼んでください」と言うスーツ姿の男性を目撃した。トイレから出たばかりで、足元は大きくところどころに穴が開き、足首が見えていたという。

 ほかの乗客が乗務員を呼びにいく間、この男性は「試薬の酸が爆発してしまった」と話し、「危ないものではないです。試薬の硫酸なので大丈夫です」「ご迷惑をおかけしてすみません。大丈夫なので」などと繰り返していたという。

 別の30代の会社員女性は、帰省先から戻るために新幹線に乗り、座席で寝込んでいるところだった。見知らぬ乗客から急に起こされ、車外に避難するよう言われた。

 乗っていたのは、10両編成の6号車。車内に目をやると、床に液体が広がっているのが見えた。

 そのすぐ後に、7号車につながる通路のドアを乗務員が封鎖した。ドア向こうの通路では、煙のようなものが充満しているのがガラス越しに見えた。

 車内には異臭も漂っていた。「何かが燃えるような、たばこの煙のような臭い。少し刺激があるような感じだった」。車内を行き来する乗務員はせきこんでいる様子だった。

 7号車の方からは、「子どもがやけどした」と叫ぶ女性の声が聞こえた。

 他の乗客が「トイレで酸性の薬品の入れ物が破裂し、中身が漏れ出したようだ」と話しているのも聞こえ、すぐに車両から避難した。

 一方、駅のホームでこの新幹線の到着を待っていた男性によると、新幹線が停車した後、駅員が「7号車から煙!」と叫ぶのが聞こえた。7号車に近づくと、ドア付近に置かれたバッグから白い煙のようなものが出ていたという。

 ホームの駅弁店で働く60代の女性も「子どもがやけどをした」との声を聞いた。7号車の方に目を向けたところ、扉から白い煙が出ていた。

 その後、女性が子どもを抱きかかえ、階段を下りようとしているのが見えた。周囲の人たちは「煙が出ている」「やばい」などと話していた。

 女性は「こんなことが起きるなんて不安だ。これから安心して駅を利用できるようになれば」と話した。

東北新幹線の車内で硫酸が漏れ出してしまい、5歳児の子供含めて4人が火傷を負った事件がありました。

❖JR東日本 手回り品(※1)で持ち込まない荷物(抜粋)

※1いつも身辺に置いて使用する物品。また、旅行などをするときの携帯品。

 危険品、刃物(※2)暖炉・コンロ、動物(※3)、死体、不潔なもの、臭気を発するもの、他のお客さまに危害を及ぼすおそれのあるもの、車内を破損するおそれのあるものなどは車内への持ち込みはできません。

※2 他のお客さまに危害を及ぼすおそれがないように梱包された刃物は除きます。なお、対象とする刃物及びその梱包方法は、「刃物を鉄道車内に持ち込む際の梱包方法についてのガイドライン」(平成30年12月国土交通省鉄道局)によります。詳しくは、国土交通省ホームページをご参照ください。

※3 少量の小鳥、小虫類、初生ひな、魚介類でケースに入れたものは除きます。

(危険品について)
・危険品とは、可燃性液体、高圧ガス、可燃性固体、火薬類、揮散性毒物、農薬などを指します。
・一部の危険品については、梱包方法や持ち込み数量などを制限した上で、車内にお持ち込みいただけるものもありますが、ガソリン、灯油、軽油などの可燃性液体そのものは、量に係わらず、車内への持ち込みはできません。
・可燃性液体、高圧ガス、可燃性固体を含む製品であって、小売店などで一般的に購入いただけるもの(酒類・化粧品類・医薬品・ヘアスプレーなど)は、2リットル以内または容器を含む重さが2キロ以内であれば、持ち込むことができます。この場合、中身が簡単に漏れ出ないようにご注意ください。

持ち主は危険な薬品ではないと説明しているようです。
ただ、5歳児を含めて火傷をするような薬品ですので、上記JR東日本の危険品扱いになるでしょう。

しかしながら、ここに罰則はありませんので、被害にあわれた方の損害賠償とJR東日本に対しての損害賠償ということになるでしょう。

ちなみに「毒物及び劇物取締法」では含有量が10%を越える硫酸は「劇物」に指定されるそうです。「毒物」ではないそうです。

「毒薬(物)」とは、法第44条第1項の規定に基づき、毒性が強いものとして厚生労働 大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定する医薬品をいうそうです。また、「劇薬(物)」とは、同条第22項の規定に基づき、劇性が強いものとして厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定する医薬品をいうそうです。

状況によっては無差別テロだと言われても仕方ない事件になりますが、持ち主の方が賢明に説明したので、何とかテロ扱いにならずにすみました。

薬品、特に危険品を遠方に持ち運びする際にはかなり慎重に運ぶと思いますが、一体どんな目的があって硫酸を新幹線を持ち込んで運んだのか?

この騒動は新青森発東京行きの東北新幹線はやぶさ52号で起きました。仙台駅に停車する直前、都内の男性は、足元の黒いバッグから薬品が漏れていると他の乗客から指摘され、バッグを持ってデッキに移動。その際、薬品が通路にこぼれ、自身の両足にもかかってやけどを負ったのです。

さらにその後、トイレに行こうとした男児が薬品で足を滑らせて転倒し、尻をやけどを負いました。助けようとした両親も足首や手にやけどを負ったのです。

ホームで新幹線を待っていた男性によると、新幹線がホームに停車した後、駅員が「煙!」と叫ぶのが聞こえた。近づくと、ドア付近に置かれたバッグから白い煙のようなものが出ていたというのです。

JR東日本によると、はやぶさ52号は乗客全員を降ろして運休となりました。東北新幹線の上り12本にも最大55分の遅れが生じるなど、約7300人に影響が出たということです。

意図的でないにしても、これがもし網棚の上で漏れだしたらどうなっただろうか?恐ろしいですね。

原因究明が待たれます。



※最後に
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