ある日突然、自分が死んでしまった場合、はたしてどうなるのでしょうか?

突然死んでしまうのは自分では避けられません。未来が自分が死んでしまうのは自分では予測できないですし、予防もできないです。

自分が死んだ後は、一般的な流れとして通夜や葬式を行ってもらい、火葬場につれて行かれて自分の体が焼かれて、お骨に入ってお墓に入って終わりとなります。そして、死後の世界があるのであれば、三途の川を渡って天国か地獄に行くことになるでしょう。

ここで書きますのは、おそらく自分が行くであろう『あの世の世界』ではなく『自分のいなくなった現実世界の話』です。

もっと言いますと『自分が死んでいなくなった現実世界の残された家族の話』となります。

残された家族たちは突然この世を去ってしまった自分の為に少しの悲しみにくれた後に、自分の残した数多くの『物の整理』に入らないといけません。

物の整理には、いわゆる自分が一生懸命働いて稼いだ資産がありますし、家や会社に置いている私物などもあります。

「たいした物なんかないよ。」と思うかもしれませんが、資産はなくても私物は多くあると思います。自分が突然死んでしまうと、残された家族に『物の整理』に膨大な労力と時間をかけさせることになります。

自分が突然死する可能性があるから、必要最低限な物で生活しましょうなんてことを書くつもりはありません。ただ『突然死んでしまうと、残された家族はこんな状況になるんだな。』と感じていただければと思います。


 自分が何を残しているのか?わからない問題

自分が突然死してしまった場合、家族は、たとえ家族であっても自分の物がどれくらいあるのか?わからないと思います。残された家族は大変です。全体像がわからないですので、まずは自分の遺産から手をつけることになると思います。

一人暮らしをしていますと住んでいる家の中を整理すればよいと思いますが、家族で住んでいますと、自分の部屋があればとてもわかりやすいのですが、自分の部屋もないと共有物だか私物だかわからない場合もあるかと思います。

まずは生前に残した自分の遺産を家族が相続することになり、手続きに入ると思います。

❖相続対象になる物一覧
  ・現預金
  ・外国通貨
  ・不動産(自宅用の建物と土地、賃貸用の建物と土地、店舗、田畑、山林、空き地、立木など)
  ・有価証券(株式、投資信託、公社債など)
  ・債権(売掛金、貸付金、立替金、被相続人が受取人の生命保険金請求権など)
  ・借家権・借地権
  ・家庭用財産(車、家具、宝石、宝飾品、絵画、書画、骨とう品など)

自分の遺産が資産だといいですが、負債だった場合は、家族が背負い込むことになるので大迷惑になります。相続開始を知った時から3ヶ月で相続放棄や限定承認(財産が1000万あり、負債が500万あるのであれば、財産500万、負債500万を相続)をしないといけません。

特に負債が多い場合は要注意です。法定相続人である親族が負債を相続しないためには、配偶者や子だけではなく第二順位の親や第三順位の兄弟姉妹の全員が相続を放棄する必要があります。

お父さんが亡くなった場合に財産を配偶者、お母さんに譲りたいということで子供たちが相続放棄した場合、相続の権利がお父さんの親、つまりおじいさん、おばあさんになり、親がなくなっていれば、お父さんの兄弟、姉妹に権利が移動しますので相続分割で法定相続分を払わないといけないことです。

不本意は結果に終わってしまうこともありますので、安易に素人考えで事をすすめてはいけないということですね。


 本題は物の整理、処分

相続の話を書きましたが、詳細は専門家サイトにお願いしまして、ここからは自分の生前に残した物の整理についての話です。

自分が生前に残した物の整理は大変です。まず残された家族は自分が突然この世からいなくなってしまい、その物を整理や処分することができるかというと、なかなかできないと思います。自分が家族から愛されているほど、家族は自分の物に手をつけることがなかなかできないでしょう。

家族が自分の物を整理するにしても、物が多い場合はどこから手をつけていいいのかわかりませんし、意を決して整理や処分を行うことになって一つ一つ手にとってみても、どうしても思い出の品として保存しておこうとしますし、自分との思い出に浸りながらの作業となりますので遅々として進まないと思います。

遺産相続は法的な手続きをしないと、自分の残した遺産を残された家族が使用できません。自分が一家の主である場合は残された家族が現実的に生活がたちいかなくなりますので早めに相続手続きを行うと思います。

これが、自分の所有物の場合はどうでしょうか?高価な物もありますが、生活していく上で所有していた物である場合は法的な手続きはいりませんし期限もありませんので当然後回しになります。そして前述した自分と家族の『思い出』が物によっては込められていますので、整理や処分がなかなかできないでしょう。

それでも自分の物の整理や処分を進めようとしても現実的にも多大な労力と時間が必要になります。


 パソコン・スマートフォン・サイトのID、パスワード、データ

自分のパソコンをIDとパスワードでロックされているとしたら、まず家族がパソコンにログインすることができません。最近は生体認証による顔認証や指紋認証もありますので自分が死んでしまった場合は生体認証でログインすることはできません。

ただし生体認証でログインできない場合は、代替手段としてIDやパスワード用意されていますので本人でなくても大丈夫ではあります。いずれにせよ、自分のIDやパスワードを家族が知らない限りパソコンにログインすることができません。

几帳面にID、パスワード一覧を手帳にでも記入していれば別ですが、セキュリティ上気になると思いますので頭の中で記憶している方が多いと思います。

家族が自分のパソコンにログインできないとどうなるのでしょうか?

パソコン内部のHDD(SSD)にあるデータが見れないです。データがいわゆる大人の写真とか動画、好きな音楽や映画やアニメの動画などであれば、自分しかアクセスしないファイルですので家族にパソコンにログインできなくても問題ないと思います。

ただし、家族で撮った写真や動画が保存してあった場合、特に写真のプリントしていない場合は取り出すことができず、思い出は日の目を見ることがありません。

有料アプリケーションやサイトの使用を継続している場合、契約の解除をサイトから行うことが多いので、それまでは使用料を払い続けることになります。サイトにログインすることができない場合は解約することもできません。

それどころか有料アプリケーションやサイトの使用料の支払いをカード払いとしており、支払い明細を郵送ではなくサイトで明細を見る場合は、何にいくら払っているのか?確認することもできないのです。

スマートフォンもパソコンと同様な問題に直面するでしょう。ただ、スマートフォンはキャリアの支店に行き解約を申し出ればよいと思います。有料アプリケーションの場合は買い取りですし、キャリアの課金システムで月額料金に追加されるので月額で払い続けることはないと思います。


 生き物(ペット)

自分が生前に生き物(=ペット)を飼っていると大変です。生前は自分が好きな生き物を飼っていたと思います。

犬や猫の哺乳類、インコなどの鳥類、トカゲやヘビ、カメなどの爬虫類、カエルなどの両生類、金魚、メダカなどの魚類、カブトムシ、クワガタなどの昆虫と様々だと思います。種類がどうであれ、自分が愛情をこめて育ててきた生き物たちです。

でも家族にとっては決してそうではありません。あくまで自分が愛しただけであって、家族にとっては単なる生き物でしかないかもしれません。生き物嫌いな家族が残されると世話どころじゃありません。

もちろん家族にとって自分と同じように生き物に愛情があるかもしれません。それでも自分が死んで当日から直面する『生き物の世話』という重要な任務を担うことになります。

「食べ物を与える」「棲み家の掃除をする」「排泄物の処理をする」「食べ物を購入する」「飼育用品を購入して取り替える」などです。これらの飼育のノウハウは残された家族にはありません。食べ物を例にとってみても、いつ、どれくらい、どの種類を与えるのかがわかりません。

飼育全般にも言えることですのでネットを見たり、本を読んだりしてノウハウを習得しようとしますが、自分が実際に世話をしてきた感覚やさじ加減は、家族も実際に世話をしないと習得できないものです。

毎日の世話がしっかりできないと病気になったり衰弱したり、さらに死なせてしまうことになるでしょう。日に日に元気がなくなっていく生き物を見て困り果てると思います。

いま書いたことは家族と一緒に住んでいた場合です。一人暮らしで生き物を飼っていた場合に自分が突然死んでしまいますと、生き物たちの存在自体が認識されませんので、生き物たちにとって「死へのカウントダウン」が始まります。

この問題でもっとも困るのは自分に世話をしてもらっていた生き物たちということを忘れてはいけません。自分が突然死んでしまうことは、周りの家族だけでなく生き物たちにも不幸なのです。


 何に価値があるのかわからない問題

自分が生前に残した沢山の所有物を家族が整理、処分するとなると、誰かに贈与したり、廃棄したりすると思います。そして売却することもあると思います。

自分が生前に大枚をはたいて購入した品物があるとしても、家族にとっては価値のある物かがわからずに、ガラクタとまではいきませんが、生活必需品と変わりない価値でしか捉えられないかもしれません。

家族が一見して価値があるとわかるのは、電化製品、IT機器類だけでしょう。絵画や壺みたいな、いかにも価値のありそうな感じですとわかりますが、コレクターズアイテムですとマニアしかわからないものですので価値はわからないと思います。

そのような場合は廃棄してしまわれることがあると思います。



※最後に
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