線状降水帯が九州地方を中心に日本列島を覆っております。各地で大雨や豪雨となっており、土砂崩れや河川の氾濫で被害がでているところがあります。

このような災害の起きやすい地域に住んでいる方は、河川の近くに住んでいれば、河川の氾濫による床上浸水、山や崖、丘の近くに住んでいる方は、土砂崩れのよる家屋倒壊などを回避する為に、自治体指定の緊急避難所などに避難するかと思います。

河川氾濫や土砂災害など自然災害が起きにくい地域であれば、家の中に留まってテレビや自治体の情報、災害情報のメールやアプリなどの情報を頼りに自分の地域に災害が起きていないのか?また日本全国でどの地域に災害が起きているのかを見ているか?と確認していると思います。

そんな中、やはり全国各地で自然災害に巻き込まれて亡くなってしまう方などがでてきてしまっています。

長野県岡谷市の民家に土砂流入は、巻き込まれた方は2階にいたらしいですが、2階にいた3人が亡くなってしまっています。豪雨も凄かったそうで、浸水に備えて2階にいたのでしょうか。

土砂流入した家の区域は「土砂災害特別警戒区域」に指定されている場所でありましたが、避難指示はでていなかったそうです。そのような場所に住むには「相応の覚悟」が必要ということなのでしょうか。

そんな被害者もいる一方、広島県東広島市志和町で「田んぼの様子を見に行った家族が帰ってこない」ということで警察に通報があり行方を捜しているとのことです。

インターネットではネタにされている『鉄板の事故ネタ』になってしまっています。

◆何故、田んぼを見に行くのか?
田んぼの様子を見に行くのは「農家」の人であります。田んぼでイネを収穫することが大きな収入源であり、唯一の収入源であります。田んぼの状態を見に行くのは何も台風や集中豪雨、大雨の時だけではありません。日照りの時も、強風の時もと、田んぼのイネがしっかり生育しているのか?害虫被害や病気になっていないか?盗まれていないか?など多岐にわたるものであります。

特に集中豪雨や台風の時の田んぼは、雨水が溜まり水位が上がっています。田んぼには用水路があり、溜池から用水路を通って田んぼに水をひいたり、逆に田んぼの水を逃がすために用水路に流すといった、水量の制御を行っています。要所要所に水門がありますので、その水門を開けたり閉じたりしているのです。

集中豪雨により、その用水路自体が水位がかなり上がっており、ゴミも溜まって集中豪雨で1メートル前もよく見えない中で水門を開けるといった作業を行うわけです。

農家の方も必死ですよ。集中豪雨や台風の大雨でイネが水没して腐ってしまったり、苗であれば抜けてしまったりと、とくかくイネがやられて収入がなくなってしまいますので、イネを守るために水位を調整しに見回りに行くのは当然のことなのです。夏から秋口にかけては1年間の作業がパーになります。

◆事情を知らない人が見ると滑稽に映る行為!
ところが、このイネを守る行為を「何故こんな時に見に行く?」「自殺行為」「死亡フラグ!」「家族止めろよ!」といった感想がまかり通っております。何も田んぼの様子を見に行くのは動画や画像をアップするわけではありません。また、なんとなく集中豪雨や台風の大雨が凄いから物珍しいから見に行くのではありません。

そして

・田んぼの様子を見に行ったところで雨はやみません。
・田んぼの様子を見に行ったところでイネは駄目になってしまうかもしれません。

農家の方は田んぼの水量を確認して水位が高ければ用水路の水門を調整して水位を下げて(※)イネを守りにいっているのです。

※逆に用水路から田んぼに水が流れている場合は水門を閉じます。

◆亡くなってしまう理由
集中豪雨や台風の大雨時に田んぼに行くことは、かなり勇気にある行動(リスクのある行動とは言いません。)です。田んぼから排水を行う用水路も大雨による増水で用水路自体の水位が上がっている、または水没して田んぼと用水路の境が見えなくなっている。そもそも雨によって視界が遮られており作業がしにくい、といったことがあるかと思います。

◆直近を調べただけでも..。

・2018年9月10日 兵庫県加東市 女性71歳 水路で死亡
・2021年5月17日 熊本県上益城郡山都町牧野  女性78歳 水路で死亡


◆対策
やはり一人で行かせないことが一番なのですが、第一次産業は高齢化がかなり進んでいる産業ですので、若手が行くといったことができないのではないでしょうか。

完全に防げるわけではないのですが「ライフジャケット」を着用するのがよいかと思います。大体が様子路で溺れてなくなっていますので「ライフジャケット」で浮くことができれば生存確率が上がると思います。



※最後に
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