ペットにマイクロチップ埋め込み かわいそう?遺棄防止へ義務化 改正動物愛護法1日施行(2022年5月27日)

ペットになる犬や猫にマイクロチップ(※)を埋め込んで販売することを繁殖・販売業者に義務付ける改正動物愛護法が1日、施行される。専用機器でチップの情報を読み取ると業者や飼い主の名、連絡先などが分かる。迷子や大規模災害時の返還効率を高め、心ない遺棄を防ぐ。個人が既に飼育している場合の新規装着は努力義務で、飼い主の受け止めはさまざま。県獣医師会は普及に向け、必要性を啓発している。
(中略)
同会によると、現在もチップを使った民間データベース(DB)が複数運営されているが、6月に環境省のDBが立ち上がり、法定登録先となる。既存DBの利用者は今月末まで、通常は手数料がかかる環境省DBへの登録が無料になる。
(中略)
チップを基に環境省のDBを参照できるのは、読み取り器が配備される各地の警察と自治体。これに対して既存DBは獣医師が参照できるなどそれぞれに特徴があり、併用可能という。
(中略)
マイクロチップは直径1~2ミリ、長さ8~12ミリの円筒形。生体適合ガラスなどのカプセルに電子タグを格納する。主に犬や猫の首の後ろに獣医師が注射器で埋め込む。改正動物愛護法では、埋め込み後に購入や譲渡により新たな飼い主となった個人・団体は所有者情報を変更登録する義務を負う。

※マイクロチップ
 マイクロチップは、直径2mm、長さ12mm程度の円筒形で、外側に生体適合ガラスを使用した電子標識器具です。最近では直径1.4mm×長さ8.2mm程度のものが主流になりつつあります。
 マイクロチップには世界で唯一の15桁の数字(ISO規格の個体識別番号)が記録されています。この番号を専用のリーダーで読み取ります。

このニュースを聞いた時『ようやく実現か!』という感じでした。これで少しでも捨て猫、捨て犬がいなくなることを祈ります。

目的としては、犬や猫が迷子になったときや、地震や水害などの災害、盗難や事故などによって、飼い主と離ればなれになった時に、皮下に埋め込まれたマイクロチップをリーダーで読み取ることで、番号が分かりというものですが、裏にもう一つの意味があると思うのです。

それは無責任な飼育放棄による遺棄の排除なのです。

ペットブームに便乗して、悪質な業者は、言葉は悪いですが「租税乱造」をして、売れ残れば「飼育放棄」や「虐待」という暴挙に出ますので、このような業者をけん制することができると思うのです。

また、個人でもペットを単なる玩具のように扱い、飽きれば捨てる、いらなくなれば捨てる、といった安易な飼い主が増えることをけん制できると思うのです。

ただし、実効性の観点から言いますと、個人が既に飼育している場合の新規装着は努力義務とありますので、あくまで、これから販売されるだけとなりますので、個人の「遺棄」による捨て猫、捨て犬がただちになくなるわけではありません。

また、ブリーダーやペットショップといった販売業者以外から犬や猫を譲り受けた場合には、マイクロチップの装着は必須ではありませんが装着するように努めるという努力義務ですので、『抜け道』はかなりありそうな気がします。

マイクロチップを付けているかの監査があるわけではありません。あくまで努力義務というところで、まだまだ改正すべき点は沢山あるように思います。

動物愛護管理法の虐待や遺棄の禁止(環境省)2022年05月28日時点

愛護動物を虐待したり捨てる(遺棄する)ことは犯罪です。違反すると、懲役や罰金に処せられます。

・愛護動物をみだりに殺したり傷つけた者
 →5年以下の懲役または500万円以下の罰金

・愛護動物に対し、みだりに身体に外傷を生ずるおそれのある暴行を加える、またはそのおそれのある行為をさせる、えさや水を与えずに酷使する等により衰弱させるなど虐待を行った者
 →1年以下の懲役または100万円以下の罰金

・愛護動物を遺棄した者
 →1年以下の懲役または100万円以下の罰金

※愛護動物とは
 1 牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる
 2 その他、人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するもの

動物愛護法を見ても、まだまだ、虐待や遺棄に関しては人間側にたった甘い法律と言わざるえません。罰則は何度か改正はされてきていますが、これからも継続的な見直しをお願いしたいものです。

今回、環境省の、というより国による情報DBができますので、一度、虐待や遺棄を行った人間は、DBに登録されて二度と愛護動物を飼育することができないようなブラックリスト化に繋げてほしいと思います。

もっと、動物愛護法は罰則をきつくしていいと思うんです。動物は消費するものじゃないんです。

江戸時代にすでにあった動物愛護法、そう「生類憐みの令」ぐらいにです。

「生類憐みの令」とは、5代将軍・徳川綱吉の時代に発布された法令です。文字通り「生き物を大切にせよ」という内容のお触れで、中でもとりわけ犬を大切にしたことから、綱吉は「犬公方」と呼ばれることもありました。

そして「犬を極端に大切にするよう命じた法令」といえば思い出す人もいることでしょう。犬ばかりを大切にした「天下の悪法」と呼ぶ人もいますね

しかしながら、保護する対象は、捨て子や病人、高齢者、動物は、犬、猫、鳥、魚類、貝類、昆虫類などにまで及んだのです。

「生類憐みの令」は、ちょっとやりすぎてしまい、徳川綱吉が死んでから廃止されてしまいましたが、今まさにこのような考え方が必要なのかもとも思ってしまうのです。



※最後に
ご覧になられている記事は、内容の見直し、文章の誤り(誤字や不適切な表現)による修正で内容が更新されることがあります。