2022.05.24更新(海水浴場の情報追加)
2023.01.17更新(年度別ホオジロザメ出現記録追加)

山口・周防大島で3・5メートルのホオジロザメ 「瀬戸内海で捕獲とは」(2022年5月22日)

山口県周防大島町浮島の漁業者が22日、全長3・5メートルのホオジロザメを捕まえた。同町のなぎさ水族館によると、瀬戸内海での捕獲は珍しいという。

捕獲されたのは、浮島北の沖合。中村忠嘉さん(53)が午前1時ごろ、父親とサワラ漁の刺し網を巻き上げていたところ、サメが網に絡まっていた。まだ生きていたため、網ごと船に縛り帰港したところ、死んでいた。

連絡を受けた同水族館の内田博陽学芸員(38)が、水族館に持ち帰り、個体を調べた後、野外に展示した。内田学芸員によると、ホオジロザメは日本近海にもおり、獲物を追って瀬戸内海に迷い込んだ可能性があるという。また、絶滅危惧種に分類されるほど世界的に個体数が減っており「瀬戸内海で捕獲されたのは驚き」と話している。



setonaikai

山口・周防大島で3・5メートルのホオジロザメ

ホオジロザメ。一説には、可愛い小鳥のホオジロというもの、頬が白いというものがありますが、実際には側頭部や腹部が白いことからホホジロザメと名付けられているそうです、

ちなみにホホジロザメと呼ばれておりますが、ホオジロザメでもあっているそうです。

このサメは何と言ってもインパクトですよね。よくサメ襲撃事件で必ずと言っていいほど出てくるサメです。

一般に人食いザメ扱いされているのは、このホオジロザメ、そして、オオメジロザメ、イタチザメ、アオザメ、そして、ヨゴレです。ヨゴレは陸から離れた外洋で暮らしていますので事故は少ないのですが、船が難破、沈没して海に投げ出された時に襲ってくるサメです。オオメジロは河口や川でも棲んでいますので川だからといって安心できません。

しかしながら、サメ襲撃事件のナンバー1は断トツでホオジロザメであり凶暴なサメなのです。

そんな、ホオジロザメが瀬戸内海で定置網に引っかかっていたとのことです。

識者が「瀬戸内海で捕獲されたのは驚き」という発言があったそうですが「!?」でしたね。

❖瀬戸内海サメ襲撃事件(1992年3月8日)

1992年3月8日午後。愛媛県松山市堀江2.3km。水深22メートルの海底。ヘルメット式潜水器具をつけてタイラギ貝漁をしていた潜水夫が行方不明になりました。

船の船長によりますと、海底で作業中の潜水夫から突然「上げてくれ」という救助を求める声が届きました。それから20分程かけて引き上げましたが、回収できたのはズタズタに裂けた潜水服とヘルメットだけでした。

船に回収された潜水夫の潜水具は、下半分が左足の部分を残して引きちぎられたようになくなっていました。

潜水夫は行方不明で、その後の捜索にもかかわらず、結局発見できませんでした。

引きあげられた潜水服とヘルメットの接合部分の金具からホオジロザメのものとみられる歯の一部が見つかり、見つかったのは鋸歯とみられる歯の一部で、長さ約5ミリ、幅約2ミリ、厚さ約1ミリの細長い形で、先端にのこぎり状の山が二つありました。

事件を調査した専門家たちは体長5m前後のホホジロザメに襲われたとの見解を示しています。
ホオジロザメ
【後日談】
 潜水士、原田一太さん(当時41歳)には、小学生と中学生の女の子が2人おりました。
 夫人は週刊誌のインタビューで「夫がサメに食べられたなんて信じられません。何とか捕獲して欲しい、そうすれば夫も浮かばれますから。」と語っておりました。お葬式もご遺体がない状況でしたので潜水服を棺に入れて行われたそうです。

今回の件より前にも、愛媛県沖の瀬戸内海では大型のサメが地元の漁師に目撃されていて、今回の現場に近い松山沖で同じタイラギ漁をしていた潜水夫がサメに襲われています。

また、この事件以来、松山市沖や淡路島沖などの瀬戸内海で、相次いで巨大なサメが目撃され愛媛沖で体長約5メートルのサメが漁船に体当たりするなどの事故も起きています。

同じホオジロザメかはわかりませんが、複数の事件が発生しているのです。

また、この事件をきっかけに瀬戸内海におけるサメの調査が行われました。

❖1992年から1998年に瀬戸内海で目撃・捕獲されたサメ類

誌名 東北区水産研究所研究報告
別誌名 Bulletin of Tohoku National Fisheries Researh Institute
発行元 東北区水産研究所

平成4(1992)年3月に瀬戸内海でサメによる人身事故が発生して以来,サメ類に対する関心が急速に高まった。このような事故を未然に回避する目的で,サメ類の情報を収集し,公開するための連絡網が直ちに設立された。

今回,平成4(1992)年~平成10(1998)年にかけて収集された情報に基づいて,瀬戸内海に出現したサメ類について,若干の検討を行った。

この期間中に,捕獲され,同定されたサメ類は68個体で,7科9属13種であった。

これらのサメ類の内,メジロザメ類(50%),シュモクザメ類(20%)、ホホジロザメ(9%)が多く出現した。

サメ類の個体数の変動と,餌となる小型浮魚類や表面水温の変動との間には,相関関係は認められなかった。大型のサメ類は,瀬戸内海を回遊経路の一部として利用した傾向にあると考えられた。

メジロザメ。
メジロザメ

シュモクザメ。
シュモクザメ

このように多くの目撃情報や捕獲が相次いでいるのです。

温暖化になって久しく、もともと亜熱帯に棲んでいるホオジロザメは海水温の上昇とともに北上しており、瀬戸内海は回遊ルートになっているといっていいのかと思います。

地元民の方たちはよくわかっているみたいでして、山口県周防大島町浮島近くにあります『潮風公園みなとオアシスゆう』では、「全長450mの砂浜はリラックススペースとして楽しめます。サメよけネットの設置やスタッフも常駐していますので、安心して海水浴が楽しめます。」となっていますので、サメがいるという前提で万全を期しているのだと思います。


岡山県倉敷市の沙美(さみ)海水浴場では、海水浴客をサメから守る防御網が設置されています。

倉敷市から作業を委託された黒崎連島漁協の方が、朝から漁船を出して、沖合いにオレンジ色のブイと防御網を設けます。西浜で850メートル、東浜では450メートルに渡って広げ、海底にアンカーで固定します。安全に泳げる遊泳区域の目印として、網から約5メートル海岸寄りにもブイを浮かべています。

防御網は上記の1992年に松山市沖の瀬戸内海で潜水作業員がサメに襲われた事故があったのを受け、設置しているのです。
沙美海水浴場
スピルバーグの映画「ジョーズ」が日本で、そして瀬戸内海で現実になるなんてことが起こりませんように。

最古のサメ襲撃の犠牲者、日本で発見 3000年以上前(2021年6月25日)

英オックスフォード大学などの研究チームはこのほど、サメによる人間襲撃を示す最古の直接的な証拠を発見したとの論文を発表した。犠牲者は3000年以上前の男性で、790カ所あまりに傷を負っていた。

オックスフォード大の研究者は今回、瀬戸内海に近い津雲貝塚から発掘された成人男性の遺骨を調査していた際、サメ襲撃の証拠を発見。腕や脚、胸の前部、腹部に外傷が見られた。

研究者のJ・アリサ・ホワイト氏とリック・シュルティング氏は共同声明で「何が原因で少なくとも790カ所に深いギザギザの傷ができたのか分からず、最初は困惑した」と語る。

傷の一部は非常に深く鋭いV字状になっており、金属の道具でできる傷のようだったが、縄文文化の段階にあった当時の狩猟採集民は金属の道具を使用していなかった。陸上の肉食動物や腐肉食動物の歯跡も、傷痕と一致しなかった。

そこで「消去法を通じ、人間同士の紛争や、よく報告される捕食動物や腐肉食動物の可能性は排除」した。襲撃に関与したサメの種類はイタチザメかホホジロザメの可能性が高いとみている。
津雲貝塚から発掘された成人男性の遺骨

❖ホオジロザメパニック事件!?

以下の事件は、3人の潜水士がタンクの酸素不足で窒息状態で死亡した未解決事件です。

水深57mの暗い海底で、何かが起きてパニック状態になったことで呼吸が荒くなり、その結果、空気の消費が早くなり、ボンベの空気なくなってしまったという説です。

そのパニック状態になった原因とは・・・。

水深57mの海底は光が届かず、真っ暗な状態です。そんな中で3人は水中ライトで携帯して作業をしていたと思います。

水中ライトの光が当たった所しか見えない状況で、照らした光に巨大なホオジロザメが出現したら?

ホオジロザメは体長4~6mの巨大サメです。このような巨大ザメがいきなり光に照らされてヌッと現れたら、3人同時にパニックになってもおかしくないのです。

2018年の学術誌「サイエンティフィック・リポーツ」に最近掲載された研究で、2匹のメスのホホジロザメ「メアリー・リー」「リディア」を大西洋西部で追跡した結果、追跡した日数の最大40%を水深600フィート(約183m)以深で過ごしていたということですから、水深57mにいるのは普通と考えられます。

しかも水中ライトの光以外は闇であり、何処からアタックされるか分からないことも恐怖感を増幅しますね。3人が同時にパニックになれば、全員死亡したことも説明できるという説です。

海洋牧場のブイが音で魚を集めるということもホオジロザメを呼び寄せた原因にかもしれないですし、1992年に瀬戸内海でタイラギ貝の漁をしていた漁師がホオジロザメに襲われて死亡する事故が起きていますが、漁のとき生じる低周波の音にサメが反応したという説があります。
暗闇からホオジロザメ


・潜水士3人死亡 保戸島沖で漁礁工事中(2012年3月17日)

 17日午前10時ごろ、「津久見市間元で、船上に2人の心肺停止状態の者がいる」と、船から119番通報があった。大分海上保安部によると、浮標(ブイ)を撤去していた潜水士1人が海中で意識を失い、救助した他の潜水士2人も意識を失った。3人は津久見、佐伯両市内の病院に搬送されたが、同11時55分までにいずれも死亡が確認された。

3人は▽佐伯市鶴見沖松浦、塩月充さん(45)▽宮崎県延岡市小路、横山泰造さん(31)▽同市川島町、弓削覚さん(37)。

現場は保戸島から西に350メートル沖の海洋牧場施設で、事故当時、音響給餌ブイの撤去工事をしていた。3人は酸素ボンベを着けて潜っていた。

工事を発注した県水産振興課によると、一連の作業は耐用年数を迎えた人工漁礁の新設に伴うもの。潜水士はクレーン台船から海に潜り、ブイをつなぎ留めるために水深約60メートルの海底に沈めた係留ブロックを引き揚げる作業をしていたとみられる。


・ボンベ残量ゼロ 潜水士3人死亡(2012年3月18日)

津久見市保戸島沖の海中で、浮標(ブイ)の撤去作業をしていた潜水士3人が死亡した事故で、3人が着けていた空気ボンベの残量がいずれもゼロだったことが17日、大分海上保安部の調査で分かった。

同保安部によると、ボンベに目立った損傷はなく、水中で残量を確認できる計器が付いていた。検視をしたが死因は分からず、18日に司法解剖をする。佐伯労働基準監督署は、労働安全衛生法に基づく災害調査を実施。作業内容や空気ボンベなどの装備を調べている。

亡くなったのは▽佐伯市鶴見沖松浦、塩月充さん(45)▽宮崎県延岡市西小路、横山泰造さん(31)▽同市川島町、弓削覚(ゆげさとる)さん(37)。

同保安部によると、3人はブイの重りとして水深57メートルの海底に設置しているコンクリートブロックに、つり上げ用のワイヤをかける作業に従事。塩月さんと弓削さんはブロックと海上から下ろしたワイヤをつなげ、横山さんは有線マイクで海上の船への連絡や、作業の指示を担当していた。

3人は17日午前9時半ごろ、容量12~14リットルの空気ボンベを1本ずつ背負って海に潜った。約15分後、横山さんから海上に、ワイヤとブロックをつなぐ一つ目の金具を取り付けたため、ワイヤを海中に沈めるよう連絡があった。その直後、「ストップ」の声を最後に連絡が途絶えた。

数分後、塩月さんと弓削さんが、意識不明の状態で相次いで海面に浮上。横山さんが上がってこないため、別の潜水士が海中を捜索。同10時55分ごろ、海中で横山さんを見つけた。3人は搬送先の病院で死亡が確認された。

ブイの撤去は大分県の発注。17、18の両日で撤去する予定だった。
夜の海を泳ぐホオジロザメ

Appendix.年別ホオジロザメ出現記録

瀬戸内の定義は、本州、四国、九州に挟まれた内海。 山口県、広島県、岡山県、兵庫県、大阪府、和歌山県、香川県、愛媛県、徳島県、福岡県、大分県がそれぞれ海岸線を持つ県とします。

1992年のサメ騒動から1年前の1991年からの記録です。
実はダントツ一位は2003年から2012年の9年間に24頭確認されている茨城県でした。
ただ、他の県も確認されていないだけなのかもしれませんので、あくまで参考記録です。
瀬戸内海は●としています。括弧()は複数の場合の頭数です。

 1991年 0
 1992年 14 ●愛媛(4)、高知(2)、鹿児島(2)、北海道(2)、●兵庫、宮城、●和歌山、千葉
 1993年 7 島根(2)、●福岡、鹿児島、●大分、千葉、●愛媛
 1994年 4 沖縄、高知、静岡、京都
 1995年 2 東京(伊豆諸島)、沖縄
 1996年 0
 1997年 3 三重、●和歌山(2)
 1998年 1 宮城
 1999年 2 ●山口、宮城
 2000年 2 秋田、岩手
 2001年 0
 2002年 3 岩手(3)
 2003年 2 ★茨城(2) 
 2004年 5 ●愛媛、宮城、★茨城(3)
 2005年 15 神奈川、沖縄、岩手、★茨城(10)、京都、●大分
 2006年 0
 2007年 0
 2008年 5 ★茨城(5)
 2009年 4 宮城、★茨城(3)
 2010年 2 青森、宮城 
 2011年 1 岩手
 2012年 1 ★茨城(1個以上だが正確な数は不明)
 2013年 1 ●大分
 2014年 2 長崎、沖縄
 2015年 1 三重
 2016年 1 三重
 2017年 1 石川
 2018年 3 千葉、神奈川、沖縄
 2019年 1 ●和歌山
 2020年 0
 2021年 0
 2022年 1 ●山口



※最後に
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