1日に10センチ伸びる脅威の雑草、沖縄で拡大「お手上げ状態」 世界のワースト侵略生物(2022年12月16日)

つる性植物で特定外来生物のツルヒヨドリ(キク科)が沖縄県金武町や恩納村、宜野座村、名護市内の5地域(名護、久志、羽地、屋部、屋我地)などで白い花を咲かせているのが15日までに確認された=写真。ツルヒヨドリは「世界の侵略的外来生物ワースト100」にも挙げられ、つるが1日に約10センチ伸びるとされている。

11月21日には名護市我部や饒平名の畑地周辺、山裾の群生地に両区長らが除草剤を散布した。昨年よりも範囲を広げて群生しており、対応に苦慮している。

5年前から開花期に除草剤散布している我部区の眞喜志克也区長は「畑近くでは地主の理解と協力がなければ散布はできない。年々広がっており、どう対策すればいいのか」とお手上げ状態だ。饒平名区も悲鳴を上げている。大城將計区長は「パイン畑やサトウキビ畑の近くでは散布はできない」と頭を悩ませている。

ツルヒヨドリは落花し結実すると、綿毛に付く種が風で広範囲に飛んで広がる。開花して範囲が確認できる今の時季に対策を講じなければ、来シーズンは範囲が今以上に広がる可能性は高い。

最強最悪の外来種が猛威をふるっているそうです。その名を「ツルヒヨドリ」というんだそうです。

中南米原産の植物で公園、農耕 地、林道脇、河川、湿地等のさまざまな環境に侵入・定着しています。ただし、中南米原産ですので、暖かい所というのが条件になっていますので、沖縄本島の被害が酷く、離島の石垣島や西表島などにも存在が確認されているそうです。

「ツルヒヨドリ」の名前の由来は、蔓(ツル)性の植物で、花がヒヨドリバナの花に似ていることからだそうです。

◆基本情報
【品種名】 : ツルヒヨドリ
【外来種】 : 『Mile-a-minute weed(1分で1マイル広がる雑草)』という異名を持つ
       ※1マイル=1.609344 キロメートル
【分類】  : キク科に属する中南米原産の多年草
【草丈】  : 茎が20mに達する(蔓が1日に10cm伸びる)
【分布地】 : アジア、オセアニアに分布(日本は沖縄に分布)
【開花期】 : 11月~12月
【冬場】  : 枯れない(成長が止まるのみ)
【繁殖】  :開花し結実し、綿毛に付く種が風で広範囲に飛ぶ
       千切れた茎から芽を出す栄養繁殖
【特徴】  : 蔓をからませて他の植物を枯らす、1株で25m四方に広がる
【シーズン】: 1年中
ツルヒヨドリ

「ツルヒヨドリ」は、他の植物を覆いながら生育するので、覆われた他の植物には日光が当たらなくなりますので枯れてあしまいます。在来種、農作物が被害を受けております。

「ツルヒヨドリ」は、世界の侵略的外来種ワースト100にあげられており、特定外来生物の指定を受けています。自生している場所からの持ち運び、栽培、他の場所に飢えることは禁止です。

違反しますと個人ですと3年以下もしくは300万円以下の罰金が科せられます。

❖被害

「ツルヒヨドリ」の1つの株は、1年間で25m四方に広がってしまうため、農作物にも大きな被害を及ぼす可能性がありますし、除草剤を散布する(元々ある植物も枯らしてしまうデメリットもあります)にも畑近くでは地主の理解と協力がなければ散布はできないので、なかなか根絶も難しいとのことです。

具値的には広範囲に拡大中であり、農作物の被害報告はあがっていないようです。「ツルヒヨドリ」の爆発的拡大を前に警笛が鳴らされている状態と思われます。

❖増殖

「ツルヒヨドリ」は、11月に開花して結実します。

つるをからませて他の植物を覆い枯らし、生態系に重大な被害を与えます。冬場に小さな白い花が集まる集合花を咲かせ、タンポポ状のタネを飛ばして広がります。1つの花から4~6個のタネができます。多い時には1つの株で40,000個のタネができて周囲に拡散されます。恐るべき繁殖力ですね。

「ツルヒヨドリ」は根や茎の一部が数センチ残っているだけで、すぐに再生し広がっていくため、丁寧に根元から抜き取る必要があります。

「ツユヒヨドリ」を食べる生き物はいない為、一度芽が出ると、後は増殖する為となります。

❖駆除

花を付ける前の11月以前に行う必要があります。それ以降だとタネができており、駆除作業でタネを飛散させてしまう可能性があります。タネができてしまった後はタネから先に採るなととても手間がかかる作業になってしまいます。

茎や根を残すと、再生してしまう為に、1株1株、丁寧に根から引き抜く必要があります。

❖まとめ
まだ、被害の実態がわかっていないところもありますが、爆発的に繁殖して農作物に被害を与えることが確実である「ツルヒヨドリ」ですが、更に拡大して温暖化した本州に入ってきたらと思うと、恐ろしいですね。今後も注視する必要がある外来種です。



※最後に
ご覧になられている記事は、内容の見直し、文章の誤り(誤字や不適切な表現)による修正で内容が更新されることがあります。