冬瓜
冬瓜(トウガン)。

トウガン(冬瓜)は、ウリ科のつる性で一年草の熱帯性植物です。果実を食用する夏(7月~9月)が旬の野菜です。夏に収穫され、冬まで貯蔵することができるため冬瓜(冬まで食べれる瓜(うり))とよばれます。果肉はやわらかく、淡泊な味わいで煮物料理などに使われます。

元々の名称は「冬瓜」を音読みした「トウガ」で、これが転じて「トウガン」になりました。

日本よりも中国、東南アジアでの利用がかなり多いです。

冬瓜の果実は分厚い皮で覆われていますが、約95%が水分で、みずみずしく食べごたえがあります。皮が硬くて分厚いため、冷暗所に置けば冬まで日持ちするのです。

冬瓜の育て方
タネをまく時期は3〜5月頃まで、収穫は6〜10月までに行います。


タネは硬くて吸水しにくい為、1日水にを浸して十分吸水させてからまいて、本葉4~5枚の株まで育てます。

元肥は畝(うね※1)全体にまいて役15㎝の深さによく耕し、60㎝幅の畝を作ります。

※1畑の土を細長く盛り上げた栽培床のことを「畝」とよび、畝をつくることを「畝立て」といいます。 畝立てすることによって水はけをよくし、また栽培場所と通路の区別をすることで、野菜の生育管理がしやすくなります。 

十分灌水(かんすい※2)させて、ポリマルチを敷き、カミソリなどで切り目を入れて茎が太くてしっかりした苗を植えます。

※2草木、農作物などに水をそそぎいれること。

ポリマルチ
親弦は4~5節まで摘心(てきしん※3)し、伸びのよい子蔓を4本伸ばします。子蔓は摘心しないで伸ばし、孫蔓は子蔓に果実がなるまで取り除き、果実がついてからは放任します。

※3芽の先端を摘み取る作業のことで、先端の芽を摘むと、その下のふしにあるわき芽が伸びて枝数が増えるので、花や野菜の草丈が抑えられると共にボリューム感が生まれ、花はたくさん咲きます。


株元付近だけにわらを敷き、蔓が伸びるにしたがって、その先にわらを敷いていきます。

果実がゴルフボール程度になり始めたら、畝に沿って追肥(1株化学肥料25g程度)をします。肥料が足りないようなら半月後にもう一度、同じように追肥します。

開花後45~50日程度の完熟した実を収穫するのが一般的ですが、開花後25~30日のものを若どりする方法もあります。 完熟果は、表面のうぶ毛が少なくなり、白っぽく粉をふいたようになったら収穫適期です。大きさは約30cm前後で重さは3~5kgほどにもなります。

冬瓜の人気メニューと効果
冬瓜は使い勝手がよく、ありとあらゆる料理で調理されていますが、以下の料理が人気レシピになっています。

 ・冬瓜と豚ひき肉のあんかけ煮
 ・冬瓜た~っぷりのスープ
 ・冬瓜と卵のスープ
 ・冬瓜と鶏肉の煮物
 ・冬瓜皮のきんぴら

冬瓜には栄養素ではカリウムとビタミンCが多く含まれています。 カリウムには過剰に摂取されたナトリウムを体外に排出する働きがあります。 その働きによって高血圧の予防や利尿作用を促進し、むくみなども改善する効果があると言われています。

薬膳としても注目度の高く部位ごとに効能が違います。 皮の効能「冬瓜皮(とうがんひ)」とよばれ、実よりも強い利尿作用があります。 種の効能「冬瓜子(とうがし)」と呼ばれ、喉や痰の薬、利尿薬として使われることもあります。

夏バテ・火照り 冬瓜は漢方などで体を冷やす働きをもつ食材と考えられています。 冷え性の人などは食べ過ぎに注意が必要ですが、のぼせや火照り、解熱用としても利用されてきました。

流通と値段
東京都中央卸売市場における2022年の冬瓜1キロの平均価格は165円です。

冬瓜は通年で流通はしていますが、7月から9月が旬で最も多く市場に流通しており、手頃な価格で購入できます。 反対に旬を過ぎた冬場になると価格は高騰します。 主な産地は沖縄県や愛知県で、冬場の多くは沖縄県産のものが出回っています。 

瓜のつく野菜
以下が「瓜」のつく漢字です。

・烏瓜(からすうり)・胡瓜(きゅうり)・糸瓜(へちま)・西瓜(スイカ)・真桑瓜(まくわうり)・隼人瓜(はやとうり)・南瓜(かぼちゃ)・冬瓜(トウガン)・木瓜(ぼけ)


冬瓜の保存(常温・冷蔵・冷凍)
冬瓜はカットしていない状態であれば、常温で2~3カ月は保存がききます。丸々1個の状態でしたら、特に冷凍保存する必要はありません。

1/2、1/4サイズなどにカット済みの冬瓜の場合は、冷蔵庫で保存するようにしましょう。冬瓜の下ごしらえをした後、切り口をラップで包んで冷蔵庫に入れます。冬瓜は切り口から傷みやすい野菜ですが、ラップで包んで空気に触れないようにすることで鮮度を保てます。冬瓜はカットしなければ保存性に優れていますが、カットした後は傷むのが早いです。冷蔵で保存する場合は、2~3日間を目安に食べ切るようにしてください。

2~3日間で食べきれない場合は冷凍保存しましょう。冬瓜の下ごしらえをした後、食べやすい大きさに切ってジッパー付きの保存袋などに入れます。袋内の空気を抜き冬瓜同士が重ならないようにして、冷凍庫に入れます。冷凍した際の保存期間の目安は、1カ月程度です。



※最後に
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