都心のカラス、20年で3分の1以下に…生息数とゴミの量連動「人間のふるまいが翻弄」(2022年5月9日)

厄介者のイメージが強い東京都心のカラスが減っている。都などが対策を始めてから約20年で、3分の1以下になった。生息数の推移から透けてみえるのは、ゴミを巡る世の中の変化だ。
(中略)
都心のカラスは80年代から増え、2000年前後が最も多かった。都には01年度、「ゴミを散らかす」「鳴き声がうるさい」「襲われて怖い」など計3754件の苦情が寄せられ、社会問題化した。
(中略)
都は01年9月、石原慎太郎知事(当時)の号令で「カラス対策プロジェクトチーム」を発足。都内40か所の大きいねぐらを調べ、計約3万6400羽の生息を確認した。
(中略)
この増加と連動するのが、ゴミの量だ。「東京都清掃事業百年史」によると、23区の85年度の回収量は約397万トンだったが、90年度には約2割増(約480万トン)になった。
(中略)
「都市鳥研究会」は「経済成長に伴い、都心の路上に大量の食べ残しが生ゴミとして出された。カラスが食べ放題だったので繁殖した」と分析する。
(中略)
「東京二十三区清掃一部事務組合」によると、90年代から、飲食店を含む事業系ゴミの有料化の影響などで徐々にゴミの量が減った。2001年度は約352万トンだったが、20年度は約255万トンになった。
(中略)
カラスもゴミの量と連動するように減少。都が対策を始めた01年度と比べ、05年度はほぼ半減(約1万7900羽)し、20年度は約7割減(約1万1000羽)になった。
(中略)
防鳥ネットや蓋付きゴミ箱が普及し、「食べられるゴミ」も減った。今後、対策が徹底されれば生息数はさらに減るとみられる。カラスは小動物の死骸を食べたり、食べた植物の種をフンとして遠くに運んだりする。極端に減れば、路上が不衛生になり、生態系に影響を及ぼす恐れもある。

都心のカラスが減っているそうです。都心のカラスは2001年の3万6,400羽から2020年では1万1,000羽と7割も減少しているそうなのです。

新聞記事を見て、ではどうやって生息数をかぞえているのか?といいますと、カラスはもとより、野生の鳥の個体数を把握することはかなり難しいことなのです。

生息数は一定の限られた地域にいる野鳥を、短期間にいっせいに数えることで、その地域の個体数と見積るのが一般的な方法なのです。ところが鳥には翼があり、移動性に富んでいることから小規模な移動から大規模な渡りを行うため、特定の地域で調べた数とより広い範囲で調べた数では誤差がたいへん
大きくなるそうです。

東京で減っているけれど、東京から出て行っただけで東京以外の首都圏にいるのでは?と思いますが、全国規模のカラスの数の報告はほとんどなく、推定することは現状では困難なのです。

ただ「カラス対策プロジェクトチーム」や「都市鳥研究会」などの専門部隊が生息数をモニタリングしていますので、間違いなく減ってはいるんだと思います。

しかし、それが人間の出したゴミに量に連動しているとなると、最近の外来種問題といい、人間は生態系に影響を最も与える要素の一つなのだと改めて認識させられますね。

さて、東京におけるカラスの生息数は減っているそうですが、他の鳥は生息数どうなのでしょうか。ちょっと調べてみました。


❖インコ(倍増)

インド南部やスリランカなどが原産の外来種ワカケホンセイインコが、少しずつ生息数を増やしており、東京や神奈川を中心に、この30年で2倍近くの約1500羽になったそうです。

ワカケホンセイインコは1960年代からペット用に輸入され、その後、捨てられたり、逃げ出したりした一部が野生化しました。1969年に東京都心で初めて繁殖が確認された。全身が色鮮やかな黄緑で、尾を合わせた体長は30~40センチ。寿命は30年と長いのです。

棲息分布として、新潟や京都、宮崎など18都府県で生息が確認されましたが、現在は関東以外ではほぼ見られないそうで、都市部はタカなどの天敵が少なく、安全な公園などで繁殖できたのだろうとみられています。

ケヤキなど高木の樹洞をねぐらとすることが多く、柿などの果実や冬芽など、様々な植物を好んで食べるそうで寒さにも強く、日本の秋冬も耐えられます。

現在は目立った被害は出ておりませんが、今後の予測はできず、注意深く観察すべき鳥となっています。

❖スズメとツバメ(大幅減っている)

環境省は2021年10月25日に約20年ぶりに行った国内の鳥類の分布調査結果を公表しました。これが全国規模で実施した調査の最新情報です。

結果としましては、1990年代の前回調査と比べ、スズメやツバメの個体数が大きく減少したそうです。同省によれば「このままのペースで減少し続けると、将来的には絶滅危惧種に指定するなど対策の可能性が出てくる」とのことです。

調査は1970年代(1974~78年)、90年代(97~2002年)に続き3回目となりました。

今回は2016年から2021年にかけて、前回調査と比較可能な278種について1947地点の観測結果を基に、分布域の変化や個体数の増減などを調べました。

その結果、スズメの個体数は前回調査の3万1159羽から2万627羽に減少。ツバメも1万4978羽から8987羽に減った。餌となる穀類を作っていた農地が野菜を栽培する畑地に変わったことなどが原因とみられます。


❖ムクドリ(都市部で増えて、他では減っている)

近年では大集団を作って街路樹などを陣取り騒音や糞害で街を汚す迷惑な鳥となっています。駆除対策に乗り出している自治体も各地にあり、ハトやカラスより嫌われている鳥かもしれません。
しかしながらです。

田舎でスズメと同じくイネ科、タデ科、キク科などの小粒の乾いた種子を特に好み、稲や麦などの穀類の未熟な種子の胚乳を食べる害鳥であり半面、農作物に被害を出す害虫を好んで食べてくれるという益鳥という側面を持っています。

しかしながら、都市開発で森や林がなくなり、寝床をなくした結果、安心して休める場所、トンビや蛇など天敵に襲われない場所が減ってしまい、寝床がり、天敵の少ない都市部へ移動してきたのです。

それが、駅前や住宅街の街路樹という人間が密集する、人間から見ると目立つ場所なのです。

ムクドリが悪いわけじゃなくて、ムクドリの居場所を無くした人間のせいが大きいです。

ムクドリが増えているわけではなくて、田舎から都市部へ移住してきているのが正しいのです。

食性は雑食で、植物の種子や葉、果実も食べますが、昆虫や小動物が食生活の中心です。

一羽のムクドリは一年間に一万匹の虫を食べていると推測されています。日本は温暖多湿で植物や水が多く、昆虫たちにとっては快適な環境です。

もし数の多いムクドリの働きがなければ、私たちの周りに飛び交う虫ははるかに多くなり、農作物の被害は増えると思われます。

このため農耕中心の時代には益鳥として扱われ、農家ではムクドリたちに感謝し、彼らの好物の熟柿を梢に残してやったりもしていました。

本来は田舎にいて人間と共生していかなければならない鳥なのです。


❖ハト(増えている)

よく目にするハトのほとんどが「ドバト」と「キジバト」という名のハトです。特に都会では、公園や街角、またはビル群や工場などでも非常に多くのドバトを見かけます。

よく、公園などで人がエサをあげる光景や、人がこぼした食料を食べる光景を見かけてことがあるのではないでしょうか。

そんなハトですが自宅のベランダなどにハトが巣を作り、糞(ふん)などによる被害を訴える人が増えている。

理由の一つとして、鳩の繁殖力の高さが挙げられます。ドバトの繁殖期は3月から11月頃までと長く、その間で平均で5回、多い時で7回も卵を産むことがあります。近年は室外機や熱を発する機器の影響からか、温かい環境で生活できるため、冬場でも卵を産むといったケースも見受けられます。

また、人間の作った法律が増えている原因でもあります。それが「鳥獣保護法」です。
「鳥獣保護法」は、日本国内の鳥獣の保護と狩猟の適正化を図る目的で環境省によって定められている法律です。

この法律の対象となるのは野生の鳥類と哺乳類で、ドバトもこの対象に含まれています。そのため、駆除のために殺傷することはもちろん、捕獲したり卵を捨てたりすることも禁止されており、違反すると1年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。

ドバトは狩猟対象でもないため、どんな場合であっても意図的に殺傷することはできません(キジバトは狩猟鳥獣として許可されています)。

ハトが減らない他の理由としては、鳩のエサになるものが多いという点が挙げられます。公園で鳩にエサをあげている光景はよく見かけますが、こういった行為は鳩が繁殖する大きな原因になります。

寄ってくる様子が可愛いからといって、ついついエサをあげてしまうことがありますが、周辺地域での鳩被害のことを考えなければならないのです。


※最後に
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