最強最悪の外来種と言われております「ナガエツルノゲイトウ」ですが、この名前で調べると必ずと言っていいほど現れる植物がおります。

その名は「オオバナミズキンバイ」です。

琵琶湖や手賀沼では、まるで仲のいいコンビのように双方が見つかっております。

もともとはアクアリウム用に輸入されたものが捨てられたと考えられ、近畿地方を中心に帰化しています。

◆基本情報
【品種名】 : オオバナミズキンバイ
【外来種】 : たき火の跡からも発芽するという不死身の侵略性植物』と呼ばれる
【分類】  : ヒアカバナ科に属する北米南部及び南米原産の水生植物(多年草)
【草丈】  : 茎が0.8mまで伸びる
【分布地】 : 南アメリカ原産、北アメリカ、ヨーロッパ、アジアに分布
【開花期】 : 6月~10月
【冬場】  : 冬は地上部は枯れる(根が生きている)
【繁殖】  : 地下部でランナーを伸ばして芽を出す、千切れた葉や茎から芽を出す栄養繁殖
【特徴】  : 水辺の湿った環境を好む、日当たりの良い肥沃な条件が重なると爆発的に繁殖
【シーズン】: 4~10月(冬は地下の根だけとなる)

❖オオバナミズキンバイが最悪なのは以下の通りです。
 ・地中深く根付いて水草を簡単に引き抜くことができない
 ・わずかでも根が残ると生えてくる(燃やしても燃え残りが僅かにあれば生き返る)
 ・駆除した根や茎から繁殖する
 
外来種であるナガエツルノゲイトウとの混成群落が形成

ナガエツルノゲイトウとほぼ同じ植生ですね。
あの最強最悪と呼ばれるナガエツルノゲイトウに割り込んで混成群落(※)を形成するのです!!!
そしてナガエツルノゲイトウの群落に割り込み、占有してしまうほどの強靭さがあるのです!!!


1回の除草では再び生えてくるそうで、何度か除草しないといけないそうです。群落になると、重機を使用して除草しないといけないので多額の費用がかかるそうです。

※一定範囲の場所に生成し互いに繋がりのある植物の個体群全体を指す。

❖琵琶湖の対策事業費

平成26年には6千4百万円でしたが、最高で平成28年の3億6千万円、少し落ち着いて令和1年は2億4千万円になっています。
過去の事業費

近畿を中心に全国的な拡がりを見せている(水鳥)
2005年、和歌山県日高川町で最初の野生繁殖が確認され、2007年には兵庫県加西市のため池で野生化、2009年には琵琶湖の赤野井湾(滋賀県守山市)でも見つかり、琵琶湖でも急速に拡大しました。2017年に手賀沼(千葉県)で野生化が確認されました。

琵琶湖下流にあたる淀川で、2017年度に最初に確認されていて川に流れて拡大しております。

そして全国的な拡大を危惧される証拠として、琵琶湖畔の水鳥の糞の中から多数のオオバナミズキンバイの種子が見つかったのです。そのことは水鳥による種子の長距離散布の可能性を示唆しています

❖ナガエツルノゲイトウの被害が有名な所【2021.12.25】追記

・琵琶湖
 琵琶湖では、外来種の水草オオバナミズキンバイとナガエツルノゲイトウが群生して、在来水生植物の生息域を脅かすだけでなく、群落が水底への日光を遮るため、水生動物の卵や稚魚などが死んでしまったりと問題になっています。

 岸沿いの水面を広い範囲でおおってしまうことがあり、船舶の航行障害や漁具への絡み付きといった被害が発生していることに加え、瀬田川等を通じた下流域への流出、ナガエツルノゲイトウの農地への侵入が確認されています。また、水質や水産資源への悪影響、湖畔の植生への影響などが心配されています。

・印旛沼
 ナガエツルノゲイトウやオオバナミズキンバイなどの外来水生植物が印旛沼及び手賀沼とその流域河川で急速に繁殖しており、水質・生態系などへの影響や農業・漁業被害などが懸念されています。

貴重な定着データとしましては、琵琶湖南湖の赤野井湾地区で2009 年12 月に約142 ㎡の生育が確認され、2012 年12 月には約22,435 ㎡と、3年間で約160 倍の面積に分布を拡大し、南湖のほぼ全域にまで広がったそうで、まさに驚異的な繁殖力であります。

そんな最強最悪の外来種を根絶した国「イギリス」
どうやって根絶するのか想像もつかない最強最悪の称号をもつ「オオバナミズキンバイ」ですが、そんな最強最悪に立ち向かって根絶していった国が「イギリス」なのです。日本も見習ってノウハウを共有してもらって根絶に向けて対策をとりたいところです。

最初にオオバナミズキンバイの野外定着が最初に確認されたのは1998年でした(イングランドを含むブリテン島)。

まず、2001年より2007年まで毎年ボランティアの手作業による除去を行ったそうです。その結果,2007年時点で生育面積をある程度押さえ込むことはできたそうですが根絶には至らなかったのです。

そこで環境庁に相談し,公的研究機関から除草剤使用についての助言をしてもらいました。

助言を踏まえ、水系への影響を避けるため、除草剤(グリホサート)を噴霧するのではなく植物に塗布する方法を取ったそうです。

2008 年 7 月および 2009 年 7 月にそれぞれ1日除草剤(グリホサート)の塗布(※)を行い、その後観察を続けた結果2010 年には根絶状態となったそうなのです。

※日本の琵琶湖沿岸における外来水生植物除去事業において除草剤使用が避けられていることと対照的である。今回訪問した現場では二カ所とも除草剤を注意深く活用して効果を挙げていた。特に除草剤の周辺生態系への影響を極力抑えるため、除草剤を散布するのではなく対象植物に塗布するとの方法を取ったことが注目された。その合理的な除草剤活用は日本においても検討されるべきと考える。

2010年にイギリス環境・食糧・農村地域省の下部機関である外来種事務局により、オオバナミズキンバイが野外放出禁止になりました。

特に法改正で、定着した侵略的外来植物への管理義務は,当該土地の所有者及び占有者(以下「土地所有者等」)にあると法律上明確に定義されていることも大きいと思います。日本の定着した侵略的外来植物への対応は任意であること(あやふや)と対照的です。

オオバナミズキンバイの局地的根絶についての報告は世界的にも少なく、イギリスにおける 10 ヶ所での局地的根絶(2015 年時点)は画期的なことと言えます。
日本においてもオオバナミズキンバイの拡散が確認されているため,新規確認箇所において早期に対応すれば局地的根絶は可能であるということは日本にとっても重要なメッセージと言えます。



※最後に
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