粉砕機
粉砕機

粉砕機に巻き込まれて亡くなる事故の報道を耳にします。

粉砕機に巻き込まれて亡くなるのは大変痛ましい事故ですし、自分が「もし、粉砕機に巻き込まれてしまったら?」と少しでも想像してしまうと、ぶるっと身体が震えてしまいます。

❖交通事故のように具体的な画像があることはない

交通事故ですと、自分の頭の中でイメージする画像で鮮明に浮かんできます。それはそれで身体が震えてしまうのですが、この頭の中のイメージ画像は、学校で習う交通事故の映像だったり、ニュースなどの事故の映像や、映画などのカークラッシュ、そしてYoutubeの動画だったり、インプットされる情報が多いからだと思います。

それに比べて、粉砕機の事故は映像とはいきません。悲惨すぎますし、グロいですので、いくら厚生労働省の職場安全サイトでの労働災害事例でも、詳細は書いていません。「粉砕機に巻き込まれて死亡」と一文だけ書いてあります。

❖動物の死骸を粉砕する動画がヒントに

粉砕機事故の発覚の多くが「作業員が1名いなくなった」で始まり「粉砕機に肉片や血痕がついていた」というので「粉砕機に巻き込まれた」と結論づけられることが多いです。

工場にもよりますが、恐らく、そのような作業現場も監視カメラは設置されていると思います。従いまして、その瞬間の映像もあるかと思いますが、一般の人間が見たらトラウマになってしまいますので、門外不出となっているはずです。

粉砕機の巻き込まれると、どうなるのか?とありますが、一つの動画がヒントを与えてくれます。

それは『病気等で死んだ動物の死骸を大型シュレッダーで粉砕する動画』です。鋼鉄製の爪で肉や骨を丸ごと粉砕していく破砕機の動画です。

死骸が粉砕機に落とされると、3秒程度で粉砕されてしまいます。最初の1秒と言いますか、回転式の粉砕機ですので一回りとでもいいますか、かなり粉砕されてしまいますで、もし人間が落ちたら即死に近い状態になるとは思います。

もし、足から落ちたとしても、足から粉砕されて大量に出血します。急激な大量出血では全血液量の20%以上の血液がなくなるとショック症状が表れるようになります。

出血性ショックとは、出血により体から大量の血液が失われることで、全身の臓器障害が引き起こされる状態を指します。こうして人は亡くなりますが、その前に全身が粉々になっていますので、出血性ショック前に死んでしまうと思われます。

もし、運よく膝から下が巻き込まれただけで助かったとしますと、事故で「膝から下が無くなった方」によりますと『その瞬間は痛く無いけど病院で手術後、麻酔が切れたら激痛』ということらしいです。

粉砕機で巻き込まれた場合は身体が残るということは難しいですが、例えばプレス機に全身を挟まれて亡くなった場合は、通夜にはそのまま潰れた体を棺桶に入れるでしょうか。

流石にそのまま棺桶には入れられませんので、遺体の損壊が激しい場合は先に荼毘に付してお骨の状態で通夜になる場合もあるのです。

❖ベルトコンベアの事故は壮絶

粉砕機事故と同じ工での事故として「ベルトコンベアに挟まれた事故」を消防士の方が解説していた動画があります。

ベルトコンベアに挟まれると小学校の頃の理科室にある皮膚が全部溶けた人形みたいな状態になるそうなんです。人間の皮がずるむけになるのです。

この事故現場では、腕の皮膚がずるむけになっていたそうなんです。そして、肉や体液がでていおり、ベルトコンベアの金属や油の臭いに加えて、人の生肉の臭いで、その場にいるのが嫌になるような強烈な臭いがするんだそうです。

人体模型です。
人体模型

今、記事を書いていますが、気持ち悪くなって変な汗が噴き出しています。

現場に到着した消防士は、こう思ったんだそうです。

『どうやって救助する?』

危険と言われて久しい工場は労働災害を防止しようと対策にやっきになっておりますが、それでも工場は危険であふれています。工場の労働災害は消防の出勤件数でも上位に入っているそうです。
ベルトコンベアの事故ですが、『まず一般人は助けれない』ということを肝に銘じておきます。

それは事故現場を見た時の精神的なショックが大きいので一般人は事故現場をみないことが鉄則だそうです。

ベテランの消防士でも現場を見た後は食事などでの生肉がまともに見れなくなるそうで、現場を見てトラウマになる消防士が続出しているそうです。

もし近くにいた同僚が労働災害に見舞われたら、従業員も外に言わない方がいいとの事です。今朝、一緒に、今一緒に、働いていた同僚が『こんな姿に変貌してしまうのか!』と目を背けたてしまうそうです。従って消防への救援要請連絡をして、自らは救い出そうとせずに待っているのがいいとされています。

ただし、ベルトコンベアに詳しい従業員が必要で、特注品の工具を使用して逆戻しで出す、また工具で部品を外すなどは、流石に消防士ではできないそうなので、従業員と消防士が連携をしないといけないそうです。

❖労働災害は圧倒的に墜落事故が多い

また、労働災害は圧倒的に墜落事故が多いそうです。

消防士の方が仰るには、現場に駆け付けた時に太いパイプが作業員の太ももをつらい抜いていたそうです。そして救出現場の場所が1mぐらいしかなく、救出するのも命がけですし、救出作業がなかなか進まないそうです。しかし、作業員は大量出血しているので早く救助しないといけないそうで時間との勝負だったそうです。

❖正常性バイアスの「闇」

労働災害が起きた工場は安全管理がしっかりしている工場でした。そして『安全第一』の注意喚起をしていたのにも関わらずに、このような事故が起きてしまいます。

ベテランの作業員になるほど、作業に慣れてくるのと同時に、危険への感覚がマヒしてしまいます。

この時に「正常性バイアス」が起こり、本来であれば安全確保として墜落防止用保護具を装着してから作業をするのですが、墜落防止用保護具を装着せずに作業にあたって、墜落してパイプが太ももを貫通したのです。

正常性バイアスとは、何か事が起こるたびに反応していると精神的に疲れてしまい、ストレスを回避するために、自然と脳が働き、心の平安を守る作用です。

工場としては、しっかりルールを設けて注意喚起をしているのにも関わらずに、結局は全員につたわないという、工場の闇の部分なのです。

中堅など作業に慣れた人は油断してしまい、労働災害にあってしまうのです。そして、労働災害にあうと助かっても回復までの道のりは長く、もう身体は元に戻ることはありません。労働災害は悲惨なのです。



※最後に
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