ザリガニ(ここでは、アメリカザリガニ)が日本にきてから既に90年になりました。昭和生まれの人間としては、幼少の頃からすでに、どこの川や沼、そして池や用水路などにアメリカザリガニがいましたので、外来種が悪いとかはさっぱりわからずにいて、ザリガニ捕りをしておりました。

むしろザリガニが捕れないとガッカリすることが多く、小さなメダカやヌマエビ、そしてタニシなどが捕れても「小物扱い」しておりました。

すでに「在来種扱い」となっており、「教科書にも載っている」レベルの生き物で、小学生のお子さんには大人気に生き物ではないでしょうか。

もちろん、外来種ですし、雑食性の性格もあり、ひとたび水辺に放たれると、棲息水域の生き物や水草を駆逐してしまい、生態系に影響を与える、田んぼの稲を食べたりや巣穴を作ることで穴を開けてしまい、生育にも影響を与えている厄介者でもあります。

そして、繁殖力の強さから、もはやいない水域が少なくなってきたザリガニですが、昨今の外来種問題に対して意識が高くなったこともあり、国(環境省)がようやく?規制強化をのりだすことになりました。


❖アメリカザリガニようやく規制へ 「取っても取っても」深刻被害

環境省は北米原産の侵略的外来種アメリカザリガニの販売や野外への放出などを規制する方針をようやく決め、今国会に外来生物法改正案を提出する予定だ。

~~~ 中略 
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現行の外来生物法では生態系などに被害を及ぼすか、及ぼす恐れのある外来種を「特定外来生物」に指定し、飼育や輸入、野外放出などを禁止している。アメリカザリガニはペットとして飼育するケースも多く、特定外来生物に指定すると野外に大量に捨てられる懸念から規制が見送られてきた。法改正で今後、販売目的の飼育は禁止されるが、ペットとしての飼育は引き続き認められる見通しだ。

ただし、ザリガニを「特定外来生物」にしてしまうと困ったことが起こるのです。

❖特定外来生物法による規制

飼育、栽培、保管及び運搬することが原則禁止されます。
 ※研究目的などで、逃げ出さないように適正に管理する施設を持っているなど、特別な場合には許可されます。
 ※飼育、栽培、保管及び運搬のことを外来生物法では「飼養等」といいます。

輸入することが原則禁止されます。
 ※飼養等をする許可を受けている者は、輸入することができます。

野外へ放つ、植える及びまくことが原則禁止されます。
 ※放出等をする許可を受けている者は、野外へ放つ、植える及びまくことができます。

・許可を受けて飼養等する者が、飼養等する許可を持っていない者に対して譲渡し、引渡しなどをすることが禁止されます。販売することも禁止されます。

・許可を受けて飼養等する場合、特定外来生物ごとにあらかじめ定められた「特定飼養等施設」内のみでしか飼養等できません。

特に一番目の飼育することの禁止ですが、現在、65万世帯がアメリカザリガニを飼育していると考えられており、一世帯で1匹だとしても65万匹となります。

環境省の発表では、現在65万世帯で540万匹が飼育されている想定だそうです。一般家庭に飼いやすいペットとして定着しているのがよくわかる数字です。【2022.02.22】修正

そのまま飼育していると困ったこと(※)になりますので「特定外来生物」に指定される前に野外へ放ってしまうことが考えられ、被害は拡がってしまうことが危惧されます。

※特定外来種を許可なく、野外に放ったり、販売したり、飼育した場合は、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金またはその両方の刑が科されます。 法人の代表者によって行われた場合には、当該法人に対して、1億円以下の罰金が科されます。

そこで法を改正して、販売目的の飼育は禁止することにして、自宅で飼育することは引き続き可能というルールにするようです。

環境省によりますと、アメリカザリガニの規制などを盛り込む外来生物法の改正案は、同省が今国会に提出する予定で、具体的な規定は2023年春ごろに政令や省令で定められてから、施行される見通しだそうです。

「特定外来生物」に指定されているブラックバスでもキャッチ&リリースは全面禁止されているわけではないそうです。ブラックバスと同じくアメリカザリガニも釣ってその場で放すことが禁止される可能性は低いと思われます。

ただし、公園などでアメリカザリガニを釣った場合、他の池に放したり、いったん自宅へ持ち帰ったりしてしまえば、同じ場所でも再び池へ放すことは禁じられそうです。

また、持ち帰って飼育するのはよさそうな感じではありますが、ルールが決定するまではわかりません。

とにかく規制強化するのは、これ以上、野外におけるアメリカザリガニの増加と被害を防ぎたいからだと思いますが、駆除もセットで考えないと、すでに定着しているアメリカザリガニは減っていくどころか、増えていく一方ですので、駆除して減少させる手立ても本腰を入れてもらいたいものです。



※最後に
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