“AV新法”違反容疑で全国初の摘発 AV出演女性に契約書交付せず 映像制作会社の役員逮捕(2022年12月6日)
アダルトビデオの出演者の女性に、契約内容に関する書類を交付しなかったとして、映像制作会社役員の男が警視庁に逮捕されました。「AV出演被害防止・救済法」、いわゆるAV新法での全国初の摘発です。
逮捕された映像制作会社役員の角谷貴史容疑者(50)は、今年8月から10月にかけ、7本のアダルトビデオ作品について、出演者の複数の女性に契約内容を記載した書類を交付しなかったAV出演被害防止・救済法違反の疑いがもたれています。
警視庁によりますと、角谷容疑者は自ら出演するなどして制作した無修正のわいせつ動画を海外のアダルト動画販売サイト「FC2」に違法に投稿したとして、先月逮捕され、今月2日に起訴されています。
角谷容疑者は、こうした違法な投稿で2016年から今年10月までのおよそ6年間で8200万円ほどの利益を得ていたとみられています。
今年6月に施行されたAV出演被害防止・救済法では、アダルトビデオの出演者に対し、契約書などを交付しその内容を説明することを義務づけていて、この法律での全国初の摘発となりました。
アダルトビデオの出演者の女性に、契約内容に関する書類を交付しなかったとして、映像制作会社役員の男が警視庁に逮捕されました。「AV出演被害防止・救済法」、いわゆるAV新法での全国初の摘発です。
逮捕された映像制作会社役員の角谷貴史容疑者(50)は、今年8月から10月にかけ、7本のアダルトビデオ作品について、出演者の複数の女性に契約内容を記載した書類を交付しなかったAV出演被害防止・救済法違反の疑いがもたれています。
警視庁によりますと、角谷容疑者は自ら出演するなどして制作した無修正のわいせつ動画を海外のアダルト動画販売サイト「FC2」に違法に投稿したとして、先月逮捕され、今月2日に起訴されています。
角谷容疑者は、こうした違法な投稿で2016年から今年10月までのおよそ6年間で8200万円ほどの利益を得ていたとみられています。
今年6月に施行されたAV出演被害防止・救済法では、アダルトビデオの出演者に対し、契約書などを交付しその内容を説明することを義務づけていて、この法律での全国初の摘発となりました。
AV新法とは?
正式には「性をめぐる個人の尊厳が重んぜられる社会の形成に資するために性行為映像制作物への出演に係る被害の防止を図り及び出演者の救済に資するための出演契約等に関する特則等に関する法律」といい、アダルトビデオ(AV)への出演に係る被害の防止と被害者の救済を目的として制定された日本の法律です。
別名はAV出演被害防止・救済法。略称として、AV被害救済法やAV新法などが用いられています。
2022年(令和4年)6月22日に公布され、同年6月23日から施行されています。
AV新法は以下の内容となっています。
❖AV新法の内容
・ AVの出演契約締結時には、契約書を交付して契約内容を説明する
・契約してから1か月は撮影してはならない
・撮影時には出演者の安全を確保する
・撮影や嫌な行為は断ることができる
・公表前に事前に撮影された映像を確認できる
・すべての撮影終了後から4か月は公表してはならない
・撮影時に同意していても、公表から1年間(施行後2年間は「2年間」)は、性別・年齢を問わず、無条件に契約を解除できる
・契約がないのに公表されている場合や、契約の取消・解除をした場合は、販売や配信の停止などを請求できる
・ AVの出演契約締結時には、契約書を交付して契約内容を説明する
・契約してから1か月は撮影してはならない
・撮影時には出演者の安全を確保する
・撮影や嫌な行為は断ることができる
・公表前に事前に撮影された映像を確認できる
・すべての撮影終了後から4か月は公表してはならない
・撮影時に同意していても、公表から1年間(施行後2年間は「2年間」)は、性別・年齢を問わず、無条件に契約を解除できる
・契約がないのに公表されている場合や、契約の取消・解除をした場合は、販売や配信の停止などを請求できる
経緯
2022年4月1日から民法が改正され、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられました。
民法では、未成年(昔は20歳未満、改正後は18歳未満)も契約をすることはできます。
ただし、親の同意がない契約は「未成年者取消権」により取り消すことが可能でした。未成年者は民法に守られていたのです。
しかしながら、民放改正で成人年齢が18歳に引き下げられたことにより、18歳、19歳のAV出演契約を取り消すための「未成年者取消権」が対象外となり、いわゆる望まないAVへの出演被害を防止するために作られました。
これを問題視したことで、AV出演に関する法律を作ることにしたのです。
問題点
❖議論が短かった
未成年者取消権から18歳と19歳が適用対象外となったことにより、18歳・19歳の若者が自由な判断ができない状況でアダルトビデオ出演に関する契約を強要されるなどの被害の拡大が懸念された。その懸念を踏まえ、与野党6党からなる超党派によって議論が行われた。
2022年3月28日に国会で取り上げられて、5月25日に全会一致で可決されました。
とても議論の期間が短いので、AV事業者や出演者などの当事者からの詳細な意見聴取が行われていませんでした。突貫工事でできた新法なのです。
そのため、現場の意見が取り入れられていない法律になっており、不満や問題点が続出しています。
❖収入の減少
撮影は契約から1ヶ月後、作品の公表は4ヶ月後といった期間制限があるため、これからAVに出演する人は、作品が世に出るまで5ヶ月以上の期間が空いてしまいます。その期間制限のために撮影できる本数が減ることになります。
また、数々の出演契約の無効・取消・解除事由が定められています。特に問題なののは、任意解除権です。出演者は、公表後1年以内(施行当初は2年以内)の間、理由なく契約を解除することができてしまいます。業者側としては、契約解除のリスクを減らすため、出演者の数をおのずと絞ることになります。
そうなると結果的に収入の減少につながってしまいます。
❖必ずしも「騙されて」働かされているわけではない
いろいろな事情で不本意に出演したり出演した後で後悔したりする子もいますが、職業としてAV女優を選んで、プロ意識をもって活動している方もいます。
❖AV業者側には負担
作品の公表の4か月ルールですと、その間、広告なども打てません。また、特に新人女優の場合、公表から1年の無条件契約解除ルールが厳しいです。契約解除時のルール作りをプロダクションと進めていますが、メーカーとしては起用しにくくなりますし、プロダクションの負荷が大きいです。1年間、しばらくは2年間のアフターケアが必要になりますが、数本撮影したら女優を辞めてしまう方も多く、連絡も取れないということがざらにあります。
❖同人AV・個撮は無法地帯で巨額の利益
撮影機器の進歩で、素人でも高度な撮影・編集ができるようになり、AVのような画質・高品質の作品も多くなりました。近年、低予算傾向で制作費が圧縮されているAV業界からも人材が流出して、まるで小規模のAVメーカーのような規模を持つ同人グループも存在します。自主規制に縛られない同人AV、個撮には、過激な内容の作品も多く、たくさん視聴されて巨額の利益を上げています。
❖まとめ
合法的に働いているAV業界の意見をきかずに突貫工事ですすめた新法ですが、同人AVなどの無法地帯を活性化させるなど逆効果にもなっています。一度施行された法律が変わることはなかなかありませんので、この新法でAV業界がどうなっていくのが注目されます。
合法的に働いているAV業界の意見をきかずに突貫工事ですすめた新法ですが、同人AVなどの無法地帯を活性化させるなど逆効果にもなっています。一度施行された法律が変わることはなかなかありませんので、この新法でAV業界がどうなっていくのが注目されます。
※最後に
ご覧になられている記事は、内容の見直し、文章の誤り(誤字や不適切な表現)による修正で内容が更新されることがあります。
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